ソフトバンクグループ9984有報もと概算
- モノを売る会社ではなく、株を持つ会社
- 3年連続の赤字から、25/3期に1.15兆円の黒字へ転換
- 総資産45.0兆円はトヨタ(93.6兆円)の半分に迫る
01ソフトバンクグループは、何で儲けている会社?
A. 投資先の価値が上がることで儲ける。本業の売上より、株の評価が損益を動かす
ソフトバンクグループの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか
細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください
ソフトバンクグループのエコシステム — 仕入れ、つくり、届くまで
仕入先から、部品や素材が入ってくる
利益の源は「持っている株」
傘下の通信会社などの売上7.24兆円もあるが、損益を大きく動かすのは投資先の評価額。株価が上がれば利益、下がれば損失として計上される。
だから利益が乱高下する
親会社帰属損益は21/3期に+4.99兆円、翌年は▲1.71兆円。事業会社ではありえない振れ幅で、投資会社として読むべきことが数字に出ている。
Armという中核
研究開発費5,076億円の多くは半導体設計のArm。製品を持たず設計図で稼ぐ会社を抱えていることが、グループの性格を決めている。
02総資産45兆円は、何でできている?
A. 事業ではなく、投資と、その持ち分。
この構成比は概算であり、有報の内訳をそのまま示したものではない(投資会社は保有資産の区分が期ごとに動くため)。確かなのは、資産の中心が工場や店舗ではなく持ち分であるということ。
売上7.24兆円に対して総資産45.0兆円。売上の6.2倍の資産を抱えており、これは事業の規模ではなく投資の規模を表している。
03なぜ利益がこれほど振れる?
A. 株の値動きが、そのまま損益になるから。
5年で+4.99兆円から▲1.71兆円まで
21/3期は+4兆9,880億円、22/3期は▲1兆7,080億円。工場も店舗も変わっていないのに、保有株の評価が変わるだけでこれだけ動く。
3年赤字のあと、1.15兆円の黒字
22/3期から3年連続で赤字だったが、25/3期は+1兆1,533億円。ROEも▲2.3%から10.2%へ回復した。
04いま、何と戦っている?
同期の実績より
A. 相場と、借入の重さ。
利益が自分の努力だけでは決まらない
投資先の株価は世界の金利や景気で動く。自社の営業努力とは別のところで損益が決まるのが、事業会社との決定的な違いになる。
AI領域への集中
研究開発費5,076億円はArmが中心。半導体とAIに賭ける姿勢が鮮明で、この分野の成否がそのままグループの成績になる。
05他の会社と、何が違う?
A. 売上ではなく、持ち分で稼ぐこと。
| ソフトバンクG | ソフトバンク(通信) | トヨタ | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 7.24兆円 | 6.54兆円 | 48.0兆円 |
| 親会社帰属利益 | 1.15兆円 | 5,261億円 | 4.77兆円 |
| 総資産 | 45.0兆円 | 16.1兆円 | 93.6兆円 |
| 総資産/売上 | 6.2倍 | 2.5倍 | 1.95倍 |
| 5年の利益の振れ | +4.99兆〜▲1.71兆 | 4,891〜5,314億円 | 2.25兆〜4.94兆 |
各社の25/3期 有価証券報告書より。ソフトバンクグループの利益の振れは21/3期〜25/3期の最大・最小。
063年の赤字から、なぜ黒字に戻った?
A. 投資先の評価が戻ったから。
親会社帰属損益は22/3期▲1兆7,080億円、23/3期▲9,701億円、24/3期▲2,276億円と3年続けて赤字だったのち、25/3期は+1兆1,533億円。保有する株の評価が回復したことが最大の理由になる。
この会社を読むときは、売上や営業利益より「何をいくらで持っているか」を見るほうが実態に近い。損益計算書よりバランスシートが主役になる、珍しいタイプの会社にあたる。
| 指標 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期 | 25/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5.63兆円 | 6.22兆円 | 6.57兆円 | 6.76兆円 | 7.24兆円 |
| 親会社帰属利益 | 4.99兆円 | ▲1.71兆円 | ▲9,701億円 | ▲2,276億円 | 1.15兆円 |
| ROE | 61.9% | ▲16.9% | ▲10.2% | ▲2.3% | 10.2% |
| 総資産 | 45.8兆円 | 47.5兆円 | 43.9兆円 | 46.7兆円 | 45.0兆円 |
売上は5年で一貫して増えているのに、利益は+4.99兆円から▲1.71兆円まで振れる。事業の good/bad ではなく、投資の評価で損益が決まることがこの表に表れている。
--まとめ
ソフトバンクグループは、モノを売る会社ではなく株を持つ会社。売上は毎年伸びていても、損益は投資先の評価で大きく振れる。3年の赤字から25/3期は1.15兆円の黒字に戻った。読むときは損益計算書よりバランスシートを見るほうが実態に近い。
- 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
- 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
- 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)
出典: ソフトバンクグループ 第45期 有価証券報告書(EDINET S100W4HN・2025年6月26日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。