ZAIBIZ|企業分析

KDDI9433有報もと概算

東証プライム・IT・通信|2025年3月期 通期
売上収益
5.92兆円
営業利益
1.12兆円
総資産
16.9兆円
概要詳細
このページの要点
  • 研究開発費は373億円。売上のわずか0.6%で、通信は設備で戦う商売
  • 総資産が1年で2.7兆円増え、通信以外への投資が進んだ
  • 営業利益は+16.3%。同期に減益だったNTTとは対照的

01KDDIは、何で儲けている会社?

A. auの月額料金と、その周りに足したサービス。パーソナルが利益の8割弱

KDDIの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか

¥お金モノ・サービス情報・契約
契約者auブランドの個人・法人KDDI研究開発373億円/年パーソナルセグメント利益 8,771億円ビジネスセグメント利益 2,330億円au金融・エネルギー等決済・保険・電力非通信を第二の柱に育てる通信機器ベンダー基地局・端末の調達¥¥¥月々の利用料通信・サービスサービス・顧客基盤グループ内の取引設備・端末設備投資・仕入研究開発費は売上の0.6%。通信は設備で戦う商売総資産は1年で2.7兆円増え、通信以外への投資が進む※金額は第41期有報(25/3期)

細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください

1

個人向け(パーソナル)が利益の柱

セグメント利益は8,771億円で、全社1.12兆円の8割弱。携帯の月額料金に、決済・保険・電力などを重ねて1人あたりの単価を上げている。

2

法人(ビジネス)が第二の柱

セグメント利益2,330億円。企業のネットワークやDXを請け負う領域で、個人市場が頭打ちのなか伸びしろとされている。

3

研究より設備でつくる強さ

研究開発費は373億円で売上の0.6%。基地局や回線という設備そのものが競争力であり、SIerやメーカーとは費用のかけ方がまるで違う。

02売上5.92兆円は、何でできている?

A. 個人向けが中心。そこに法人が続く。

売上収益5.92兆円25/3期・連結・IFRS
パーソナル利益 8,771億円au・UQ・povoの月額料金と、金融・エネルギーなどの上乗せ
ビジネス利益 2,330億円法人向けネットワーク・DX・データセンター
その他利益 100億円新領域など

ここでは売上ではなくセグメント利益の構成を並べた。KDDIは売上より「どこで利益が出ているか」で性格がはっきり分かれるため。

総資産は14.1兆円から16.9兆円へ2.7兆円増加。通信設備だけでなく、金融や非通信領域への投資が資産を押し上げている。

03なぜKDDIは増益できた?

A. 通信の外側を積み増したから。

1

同じ年に、NTTは減益・KDDIは増益

25/3期の営業利益はNTTが▲14.2%だったのに対し、KDDIは9,616億円から1兆1,187億円へ+16.3%。同じ通信業でも結果が割れた年だった。

2

月額料金の外にサービスを足す

決済・保険・電力といった非通信を同じ顧客基盤へ載せる。1人の契約者から受け取る金額を増やすのが、契約数が伸びない市場での成長のさせ方になる。

04いま、何と戦っている?

同期の実績より

A. 契約数の頭打ちと、増える資産。

市場

国内の契約はもう大きくは増えない

人口減で新規契約の伸びは限られる。1人あたりの単価と法人・非通信をどこまで積めるかが成長の条件になる。

投資

1年で2.7兆円増えた資産をどう回すか

総資産は16.9兆円。ROEは13.2%を保っているが、資産の増加に見合う利益を出し続けられるかが問われる。

05他の通信会社と、何が違う?

A. 通信の外側の積み方。

KDDINTTソフトバンク
売上収益5.92兆円13.7兆円6.54兆円
営業利益1.12兆円1.65兆円9,890億円
営業利益率18.9%12.0%15.1%
ROE13.2%10.0%20.5%
研究開発費373億円2,687億円739億円

各社の25/3期 有価証券報告書より。営業利益率は営業利益÷売上収益。

06なぜ営業利益が1,571億円増えた?

A. 売上が1,639億円増え、費用の増加をわずかに上回った。

売上収益は5兆7,540億円から5兆9,180億円へ+1,639億円、営業利益は9,616億円から1兆1,187億円へ+1,571億円。増えた売上がほぼそのまま利益になった計算で、費用がほとんど増えなかったことを意味する。

通信は設備を敷き終えると、契約が増えても費用があまり増えない。同じ設備の上に何を載せるかで利益が決まる商売であることが、この年の数字によく表れている。

5年の推移
指標21/3期22/3期23/3期24/3期25/3期
売上収益5.31兆円5.45兆円5.67兆円5.75兆円5.92兆円
親会社帰属利益6,515億円6,725億円6,791億円6,379億円6,857億円
ROE14.2%13.8%13.4%12.3%13.2%
総資産10.5兆円11.1兆円11.9兆円14.1兆円16.9兆円

売上は5年で1.11倍と穏やか。一方で総資産は6.3兆円増えており、通信以外への投資が続いている。

--まとめ

KDDIは、auの月額料金という土台に、金融・電力・法人サービスを重ねて稼ぐ会社。25/3期は増収がほぼそのまま増益になり、通信が「設備を敷き終えたあとが強い」商売であることを示した。増え続ける資産をどう回すかが次の焦点。

ほかの会社を読むときも、同じ3つの問いが使える
  • 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
  • 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
  • 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)

出典: KDDI 第41期 有価証券報告書(EDINET S100VXGZ・2025年6月13日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。

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財務数値
KDDIの有価証券報告書(2025年3月期 通期)をもとに編集・要約した概算値
決算発表
有価証券報告書 2025年3月期(2025年6月提出)
会社計画
2025年5月14日発表
株価
2026年6月26日時点のスナップショット(自動更新はしていません)

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