ソフトバンク9434有報もと概算
- 通信会社なのに、売上の4分の1はメディア・EC(1.65兆円)
- ROE20.5%は通信3社で突出。NTT10.0%・KDDI13.2%
- 営業利益は+12.9%の9,890億円
01ソフトバンクは、何で儲けている会社?
A. 携帯の月額料金と、ヤフー・LINE・PayPay。通信会社であり、ネット企業でもある
ソフトバンクの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか
細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください
ソフトバンクのエコシステム — 仕入れ、つくり、届くまで
仕入先から、部品や素材が入ってくる
コンシューマ(携帯)が最大の売上
個人向けの売上は2.93兆円。ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOの月額料金が土台になる。
メディア・ECが1.65兆円
ヤフー、LINE、PayPayなどの事業が売上1.65兆円。通信会社の売上の4分の1がネットサービスという構成は、NTTやKDDIには無い形。
法人・流通・金融も持つ
法人8,882億円、流通7,057億円、金融2,559億円。同じ顧客に複数の商売をぶつけることで、1人あたりの取引を増やしている。
02売上6.54兆円は、何でできている?
A. 携帯が半分弱、メディア・ECが4分の1。
ROEは20.5%。NTT10.0%、KDDI13.2%と比べて明らかに高い。少ない自己資本で大きな利益を出している形で、これは借入を使って事業を回していることの裏返しでもある。
研究開発費は739億円。KDDI(373億円)より多くNTT(2,687億円)より少ない、中間的な位置にある。
03なぜソフトバンクは効率がいい?
A. 同じ顧客に、通信・決済・買い物をまとめて売るから。
PayPayを通信の隣に置いた
決済を持つと、携帯の契約者がそのまま買い物・送金の利用者になる。顧客を1回獲得したあと、何度も接点が生まれる構造になっている。
ROE20.5%は通信3社で最高
自己資本に対する利益の大きさで、NTT(10.0%)の2倍。資本を厚く積むより、回転で稼ぐという経営の選び方が数字に出ている。
04いま、何と戦っている?
同期の実績より
A. 通信市場の飽和と、決済の競争。
契約数はもう大きく増えない
国内の携帯契約は飽和しており、メディア・ECや金融をどこまで伸ばせるかが成長の条件になる。
決済・ECは他社との消耗戦になりやすい
PayPayやヤフーの領域は、ポイント還元などの費用がかかりやすい。顧客を増やす費用と、そこから得る利益の釣り合いが問われる。
05他の通信会社と、何が違う?
A. ネット事業を本体に持っていること。
| ソフトバンク | NTT | KDDI | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 6.54兆円 | 13.7兆円 | 5.92兆円 |
| 営業利益 | 9,890億円 | 1.65兆円 | 1.12兆円 |
| ROE | 20.5% | 10.0% | 13.2% |
| 通信以外の柱 | メディア・EC 1.65兆円 | 海外(NTTデータ) | 金融・電力 |
| 25/3期の増減 | +12.9% | ▲14.2% | +16.3% |
各社の25/3期 有価証券報告書より。
06なぜ営業利益が1,129億円増えた?
A. 売上が4,603億円増え、費用の増加を上回った。
売上収益は6兆840億円から6兆5,443億円へ+4,603億円、営業利益は8,761億円から9,890億円へ+1,129億円。増収分の約4分の1が利益として残った。
ROEは21.3%から20.5%へわずかに低下したものの、20%台を5年続けている。通信という安定した土台に、回転の速いネット事業を重ねた形が続いている。
| 指標 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期 | 25/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業利益 | 9,708億円 | 9,656億円 | 1.06兆円 | 8,761億円 | 9,890億円 |
| 親会社帰属利益 | 4,913億円 | 5,171億円 | 5,314億円 | 4,891億円 | 5,261億円 |
| ROE | 38.7% | 27.3% | 25.4% | 21.3% | 20.5% |
| 総資産 | 12.2兆円 | 13.1兆円 | 14.7兆円 | 15.5兆円 | 16.1兆円 |
利益は5年ほぼ横ばい。ROEが38.7%から20.5%へ下がっているのは、利益が減ったのではなく自己資本が積み上がったため。
--まとめ
ソフトバンクは、携帯の月額料金という土台の上に、ヤフー・LINE・PayPayというネット事業を載せた会社。売上の4分の1がメディア・ECで、ROE20.5%は通信3社で最も高い。飽和した通信市場のなか、決済とECをどこまで伸ばせるかが次の勝負になる。
- 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
- 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
- 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)
出典: ソフトバンク 第40期 有価証券報告書(EDINET S100W3P2・2025年6月25日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。
07同じ業界のほかの会社
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