NTT9432有報もと概算
- 利益の6割はドコモ。固定電話の会社ではなく、実質は携帯の会社
- 海外はNTTデータが担い、売上4.64兆円まで育った
- 25/3期は減益。営業利益は1.92兆円から1.65兆円へ
01NTTは、何で儲けている会社?
A. 携帯(ドコモ)で稼ぎ、固定と海外で支える。持株会社なので、稼ぐのは傘下の各社
NTTの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか
細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください
NTTのエコシステム — 仕入れ、つくり、届くまで
仕入先から、部品や素材が入ってくる
利益の6割はドコモ
総合ICT(ドコモ)のセグメント利益は1兆520億円で、全社1.65兆円の6割強。売上でも6.21兆円と最大。「NTT=固定電話」の印象と実態は違う。
地域通信は光回線とインフラ
東西の地域通信は売上3.11兆円・利益2,955億円。人口減で契約は増えにくいが、光回線やデータセンターの土台として残り続ける。
海外の顔はNTTデータ
グローバルソリューションの売上は4.64兆円・利益3,239億円。NTTデータグループを通じて海外の受託開発を取り込んでいる。
02売上13.7兆円は、何でできている?
A. ドコモ・地域通信・海外の3つ。
セグメントの合計は単純合算のため全社売上と一致しない(会社間の取引を除く前の数字)。それでも割合の順位は変わらない。
研究開発費は2,687億円。売上比では2%に届かず、通信は研究より設備で戦う商売であることが数字に出ている。
03なぜNTTは強い?
A. 全国に敷いた線と、そこに載る契約が積み上がるから。
毎月お金が入る形になっている
携帯も光回線も契約が続く限り毎月請求できる。売って終わりのメーカーと違い、契約数がそのまま翌月の売上になる。
総資産30兆円という参入障壁
全国の基地局・局舎・光ファイバーが積み上がった結果、総資産は30.1兆円。同じ設備をゼロから敷ける相手はいない。
04いま、何と戦っている?
同期の実績と有報の記載より
A. 国内の頭打ちと、増える設備。
25/3期は営業利益が2,733億円の減少
1兆9,229億円から1兆6,495億円へ。国内通信の値下げ競争と費用増が重なった年だった。
契約が自然に増える時代は終わった
国内は人口減で新規契約が伸びにくい。1契約あたりの単価と、通信以外のサービスをどう積むかに移っている。
05他の通信会社と、何が違う?
A. 規模と、海外を持っていること。
| NTT | KDDI | ソフトバンク | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 13.7兆円 | 5.92兆円 | 6.54兆円 |
| 営業利益 | 1.65兆円 | 1.12兆円 | 9,890億円 |
| ROE | 10.0% | 13.2% | 20.5% |
| 25/3期の増減 | ▲14.2% | +16.3% | +12.9% |
| 通信以外の柱 | 海外(NTTデータ4.64兆円) | 金融・電力 | メディア・EC(1.65兆円) |
各社の25/3期 有価証券報告書より。
06なぜ利益が2,733億円減った?
A. 売上は増えたのに、費用の増加がそれを上回った。
売上収益は13兆3,746億円から13兆7,047億円へ+3,301億円。しかし営業利益は1兆9,229億円から1兆6,495億円へ▲2,733億円。増収なのに減益という、トヨタやホンダと同じ形になった。
ROEも13.9%から10.0%へ低下。総資産は30.1兆円と重く、資産をどれだけ効率よく回せるかが次の課題になる。
| 指標 | 21/3期 | 22/3期 | 23/3期 | 24/3期 | 25/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 11.9兆円 | 12.2兆円 | 13.1兆円 | 13.4兆円 | 13.7兆円 |
| 親会社帰属利益 | 9,162億円 | 1.18兆円 | 1.21兆円 | 1.28兆円 | 1.00兆円 |
| ROE | 11.0% | 14.9% | 14.4% | 13.9% | 10.0% |
| 総資産 | 23.0兆円 | 23.9兆円 | 25.3兆円 | 29.6兆円 | 30.1兆円 |
売上は5年で1.15倍と安定成長。一方、総資産は7兆円増えており、設備と買収で重くなっている。
--まとめ
NTTは、全国の線と契約の積み上げで毎月お金が入る会社。利益の6割はドコモが稼ぎ、海外はNTTデータが担う。25/3期は増収でも減益で、重くなった資産をどう効率よく回すかが問われている。
- 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
- 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
- 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)
出典: 日本電信電話 第40期 有価証券報告書(EDINET S100W1FL・2025年6月20日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。
07同じ業界のほかの会社
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