東海旅客鉄道9022有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
当社は東京〜新大阪を結ぶ東海道新幹線を中核とする旅客鉄道会社であり、グループ売上の大半を運輸業が占め、その中心が日本の大動脈である東海道新幹線です。加えて、名古屋圏の通勤・近郊輸送等の在来線、ジェイアール名古屋タカシマヤ等の流通業、不動産賃貸、ホテル・旅行業を展開しています。現在は品川〜名古屋〜大阪を結ぶリニア中央新幹線(超電導リニア)を建設中で、超高速の第二大動脈の整備を進めています。代替の効かない高収益インフラの独占的運営が収益基盤です。
02業績の推移
直近4四半期の売上は1.83兆円で、前年の同じ4四半期から+7.1%。営業利益率は38.4%、ROEは10.5%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24Q1 | 4,300億円 | 1,600億円 | 37.2% | 1,000億円 | ¥3,450 |
| 24Q2 | 4,450億円 | 1,580億円 | 35.5% | 980億円 | ¥3,380 |
| 24Q3 | 4,200億円 | 1,500億円 | 35.7% | 920億円 | ¥3,300 |
| 24Q4 | 4,150億円 | 1,400億円 | 33.7% | 940億円 | ¥3,250 |
| 25Q1 | 4,550億円 | 1,850億円 | 40.7% | 1,200億円 | ¥3,180 |
| 25Q2 | 4,700億円 | 1,820億円 | 38.7% | 1,180億円 | ¥3,120 |
| 25Q3 | 4,500億円 | 1,730億円 | 38.4% | 1,100億円 | ¥3,160 |
| 25Q4 | 4,570億円 | 1,630億円 | 35.7% | 1,100億円 | ¥3,200 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY24 | 1.71兆円 | 6,080億円 | 35.6% | 3,840億円 | — |
| FY25 | 1.83兆円 | 7,030億円 | 38.4% | 4,580億円 | +7.1% |
03会社計画 — 26/3期 会社予想
会社計画は未収録です。営業利益率38.4%は交通・インフラ5社中1位で、業界平均15.8%との差は22.6ポイントです。
会社の見立て:2026年3月期予想は、東海道新幹線の輸送量がコロナ前水準を上回る前提でも、前期の特需剥落などにより営業利益6,670億円(△5.1%)・親会社株主帰属当期利益4,230億円(△7.7%)と減益を見込む(自己株取得は予想EPSに未反映)。最大の経営課題は中央新幹線(リニア中央新幹線)建設で、品川〜名古屋間の総工事費は約7兆円規模に膨らみ、静岡工区の難航から開業時期は当初の2027年から後ろ倒しが続く。巨額の設備投資を東海道新幹線の安定キャッシュフローと有利子負債で賄う構造で、金利上昇と工期長期化が財務の主要感応度。2025年4月30日発表
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上1.83兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は4,580億円。
05株主への還元と持ち主
| 外国人株主計 | 29.0% |
| 個人・その他 | 25.0% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 13.5% |
| 日本カストディ銀行 | 5.8% |
| JR東海従業員持株会 | 1.6% |
06経営の体制
安全を担う運転・保守の技能継承と人材育成を重視し、多様な人材が活躍できる環境整備と働き方改革を進めています。
07経営方針と課題 — 有報から
当社は東海道新幹線の安全・安定輸送を最優先としつつ、その収益力を源泉にリニア中央新幹線の整備を推進し、東海道新幹線とのバイパス機能による大動脈の二重系化を長期的な経営目標としています。輸送需要の回復を取り込みつつ、財務健全性を維持しながら巨額投資を着実に進める方針です。
- 01リニア中央新幹線の工事費増大と開業時期後ろ倒しに伴う投資回収の長期化への対応。
- 02収益が東海道新幹線に偏重する事業構造の分散と関連事業の強化。
- 03大規模地震・自然災害に備えた輸送の強靭化と安全対策の徹底。
リニア中央新幹線の工事費が膨張し開業時期が後ろ倒しとなるなか、建設原資の多くを有利子負債で賄うため、金利上昇は利払い負担に直結します。
収益が東海道新幹線に大きく依存しており、同路線の輸送障害が業績に与える影響が大きい構造です。
南海トラフ地震等の大規模地震や自然災害による運休は、輸送収入に重大な影響を及ぼす可能性があります。
感染症の再流行や景気後退による出張・観光需要の減退に対する感応度が高く、翌期は特需の剥落等による減益を見込んでいます。
08投資の中身
超電導リニアの技術開発を継続するとともに、安全・安定輸送を支える車両・保守技術の高度化に取り組んでいます。
09同業のなかでの位置
- 東日本旅客鉄道営業利益率 13.0%
- 西日本旅客鉄道営業利益率 10.5%
- ANAホールディングス営業利益率 8.7%
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、営業利益と株価が逆に動く傾向がうかがえます。金利・市況など業績以外の要因が効いている可能性があります。