ZAIBIZ|企業分析

富士通6702有報もと概算

東証プライム・IT・通信|2025年3月期 通期
売上収益
3.55兆円
営業利益
2,651億円
ROE
12.6%
概要詳細
このページの要点
  • 売上の62%はサービス。ハードの会社からの転換が数字に出た
  • 調整後営業利益の76%をサービスソリューションが稼ぐ
  • 営業利益は1,493億円から2,651億円へ+77.5%

01富士通は、何で儲けている会社?

A. 企業や役所のシステムを、つくって預かること。パソコンやサーバーの会社ではなくなった

富士通の商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか

¥お金モノ・サービス情報・契約
顧客企業・官公庁国内外の企業・自治体・官公庁富士通研究開発1,012億円/年サービスソリューション売上 2.21兆円ハードウェア・端末1.05兆円・2,515億円クラウド・半導体等データセンターや部材の調達ハードは自社製と外部調達の両方協力会社・外注先開発リソースの確保¥¥¥開発費・運用料システム・保守製品・基盤仕入・ライセンス料開発の担い手外注費売上の62%はサービス。ハードの会社からの転換が進んだ調整後営業利益の76%をサービスが稼ぐ※金額は第125期有報(25/3期)

細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください

1

サービスが売上の62%

サービスソリューションの売上は2.21兆円で全体の62%。システムの設計・構築から運用の受託までが本体になっている。

2

利益ではもっと偏る

調整後営業利益はサービス2,900億円・ハード613億円・ユビキタス314億円。利益の76%がサービスで、売上以上に依存が強い。

3

ハードは残るが主役ではない

ハードウェアソリューション1.05兆円、パソコン等のユビキタス2,515億円。合わせて売上の3分の1強だが、利益率はサービスに及ばない。

02売上3.55兆円は、何でできている?

A. サービスが6割、ハードが3割。

売上収益3.55兆円25/3期・連結・IFRS
サービスソリューション2.21兆円システム構築・運用受託。調整後営業利益2,900億円
ハードウェアソリューション1.05兆円サーバー・ネットワーク機器。調整後営業利益613億円
ユビキタス2,515億円パソコンなど。調整後営業利益314億円

サービスの利益率は調整後で13.1%、ハードは5.8%。同じ売上でも、サービスのほうが2倍以上の利益を残す。

研究開発費は1,012億円で売上の2.9%。設備で戦う通信会社とも、部品で戦うメーカーとも違い、人の時間が原価の中心になる商売にあたる。

03なぜ富士通は利益が伸びた?

A. 売る中身をサービスへ寄せたから。

1

営業利益が1年で77.5%増えた

1,493億円から2,651億円へ。売上は3.48兆円から3.55兆円と2%しか伸びていないので、増えたのは利益率のほうだと分かる。

2

受託は「人の時間」を売る商売

原価の中心は人件費と外注費。案件の単価を上げるか、同じ人数で多くをこなすか——この2つでしか利益率は上がらない。

04いま、何と戦っている?

同期の実績より

A. 人手不足と、価格の見直し。

人材

受託は人が増えないと売上が増えない

システム開発は人の時間が原価。人を採れなければ売上の上限が決まるという、製造業とは違う制約がある。

転換

ハードからサービスへの移行を続けられるか

利益の76%はすでにサービス。残るハード事業をどう位置づけるかが経営の判断どころになる。

05他のSIerと、何が違う?

A. ハードを持ったまま、サービスへ寄せたこと。

富士通NECNTTデータ野村総研
売上収益3.55兆円3.42兆円4.64兆円7,648億円
営業利益2,651億円2,565億円3,239億円1,349億円
営業利益率7.5%7.5%7.0%17.6%
ROE12.6%9.1%8.0%22.5%
25/3期の増減+77.5%+36.4%+4.6%+12.0%

各社の25/3期 有価証券報告書より。

06なぜ営業利益が77.5%も増えた?

A. 売上は2%しか増えていない。増えたのは利益率。

売上収益は3兆4,770億円から3兆5,501億円へ+2.1%にとどまる一方、営業利益は1,493億円から2,651億円へ+77.5%。同じ規模の商売で、残る利益だけが増えた年だった。

ただしROEは15.2%から12.6%へ低下している。営業利益が増えても最終利益(親会社帰属2,198億円)は前期の2,545億円を下回っており、営業の外で目減りしたことになる。

5年の推移
指標21/3期22/3期23/3期24/3期25/3期
売上収益3.59兆円3.59兆円3.71兆円3.48兆円3.55兆円
親会社帰属利益2,027億円1,827億円2,152億円2,545億円2,198億円
ROE15.1%12.0%13.5%15.2%12.6%
総資産3.19兆円3.33兆円3.27兆円3.51兆円3.50兆円

売上は5年ほぼ横ばい。規模を追わず、中身をサービスへ入れ替えてきた5年だったと読める。

--まとめ

富士通は、ハードの会社からシステムを預かる会社へ移ってきた。売上の62%・利益の76%はすでにサービスで、25/3期は売上2%増に対して営業利益が77.5%増えた。人が増えないと売上が増えない商売のなか、単価と生産性をどう上げるかが続く課題になる。

ほかの会社を読むときも、同じ3つの問いが使える
  • 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
  • 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
  • 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)

出典: 富士通 第125期 有価証券報告書(EDINET S100W1DS・2025年6月20日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。

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財務数値
富士通の有価証券報告書(2025年3月期 通期)をもとに編集・要約した概算値
決算発表
決算短信 2025年3月期(2025年4月24日発表・IFRS)
会社計画
2025年4月24日発表
株価
2026年6月26日時点のスナップショット(自動更新はしていません)

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