ZAIBIZ|企業分析

NEC6701有報もと概算

東証プライム・IT・通信|2025年3月期 通期
売上収益
3.42兆円
営業利益
2,565億円
ROE
9.1%
概要詳細
このページの要点
  • 減収なのに営業利益は36.4%増。売上を追わずに採算を直した年
  • 売上の6割はITサービス(2.03兆円)、残りが社会インフラ
  • ROEは9.1%。同業の富士通12.6%・野村総研22.5%には届かない

01NECは、何で儲けている会社?

A. 官公庁と通信会社のシステムを、長く預かること。ITサービスが売上の6割

NECの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか

¥お金モノ・サービス情報・契約
顧客企業・官公庁官公庁・通信事業者・企業日本電気(NEC)研究開発992億円/年ITサービス売上 2.03兆円社会インフラ売上 1.14兆円パートナー・仕入先ネットワーク機器・部材協力会社・外注先開発リソースの確保¥¥¥開発費・運用料システム・保守製品・基盤仕入・ライセンス料開発の担い手外注費減収なのに営業利益は36%増。単価と採算の改善が効いた売上の6割はITサービス。残りが社会インフラ※金額は第187期有報(25/3期)

細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください

1

ITサービスが2.03兆円

官公庁・自治体・企業のシステム構築と運用で、売上の59%を占める。社会の土台に入り込むほど、契約が長く続くのがこの事業の性質になる。

2

社会インフラが1.14兆円

通信ネットワークや海底ケーブル、生体認証などのハード寄りの領域。国内外の公共インフラに関わる分、景気より予算に左右されやすい。

3

研究開発費は992億円

売上の2.9%。生体認証やAIなど自社の技術を持つことで、単なる受託と差をつけるという位置づけになっている。

02売上3.42兆円は、何でできている?

A. ITサービスが6割、社会インフラが3割。

売上収益3.42兆円25/3期・連結・IFRS
ITサービス2.03兆円官公庁・企業のシステム構築と運用
社会インフラ1.14兆円通信ネットワーク・海底ケーブル・生体認証
その他2,485億円上記に含まれない事業

売上は前期比で1.5%減っている(3.48兆円→3.42兆円)。それでも営業利益は1,880億円から2,565億円へ36.4%増えた。

つまりこの年のNECは、売上を増やすことではなく、赤字や薄利の仕事を減らすことで利益をつくった。規模より採算を選んだ年と読める。

03なぜ減収でも増益できた?

A. 売る量ではなく、選ぶ仕事を変えたから。

1

売上▲1.5%、営業利益+36.4%

この2つが同時に起きるのは、単価の高い仕事へ入れ替えたか、費用を削ったかのどちらか。受託の会社が採算を立て直すときの典型的な形になる。

2

ROE9.1%は同業に見劣りする

富士通12.6%、野村総研22.5%と比べると低い。利益は回復したが、資本の効率ではまだ差があるという位置にいる。

04いま、何と戦っている?

同期の実績より

A. 資本の効率と、人手不足。

効率

利益は戻ったが、ROEは9.1%

5年間の推移でもROEは7〜13%台を行き来している。利益率だけでなく、資産をどれだけ軽くできるかが問われる。

人材

受託は人が増えないと売上が増えない

システム開発の原価は人の時間。採用と育成のペースが、そのまま成長の上限になる。

05他のSIerと、何が違う?

A. 官公庁・通信インフラへの近さ。

NEC富士通NTTデータ野村総研
売上収益3.42兆円3.55兆円4.64兆円7,648億円
営業利益2,565億円2,651億円3,239億円1,349億円
営業利益率7.5%7.5%7.0%17.6%
ROE9.1%12.6%8.0%22.5%
25/3期の売上▲1.5%+2.1%+6.2%+3.8%

各社の25/3期 有価証券報告書より。

06減収なのに、なぜ増益?

A. 売上を535億円失いながら、利益を685億円積んだ。

売上収益は3兆4,772億円から3兆4,234億円へ▲538億円。それでも営業利益は1,880億円から2,565億円へ+685億円。減った売上以上に、費用を減らしたことになる。

親会社帰属利益も1,495億円から1,752億円へ増加。ROEは8.4%から9.1%へ改善したが、5年前の13.5%にはまだ戻っていない。

5年の推移
指標21/3期22/3期23/3期24/3期25/3期
売上収益2.99兆円3.01兆円3.31兆円3.48兆円3.42兆円
親会社帰属利益1,496億円1,413億円1,145億円1,495億円1,752億円
ROE13.5%10.0%7.3%8.4%9.1%
総資産3.67兆円3.76兆円3.98兆円4.23兆円4.32兆円

売上は5年で1.14倍。利益は23/3期に落ち込み、そこから2年かけて戻してきた形になる。

--まとめ

NECは、官公庁や通信会社のシステムを長く預かる会社。25/3期は売上を1.5%落としながら営業利益を36.4%増やし、規模より採算を選んだ。利益は戻ったが資本の効率は同業に見劣りしており、そこが次の課題になる。

ほかの会社を読むときも、同じ3つの問いが使える
  • 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
  • 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
  • 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)

出典: 日本電気 第187期 有価証券報告書(EDINET S100VZ85・2025年6月19日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。

07同じ業界のほかの会社

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このページの数字はどこから来ているか

財務数値
NECの有価証券報告書(2025年3月期 通期)をもとに編集・要約した概算値
決算発表
有価証券報告書 2025年3月期(2025年6月提出)
会社計画
2025年5月9日発表
株価
2026年6月26日時点のスナップショット(自動更新はしていません)

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