楽天グループ4755有報もと概算
- 総資産26.5兆円は売上の11.6倍。実態は金融グループに近い
- 営業利益は▲2,129億円から+530億円へ黒字転換
- ただし最終損益は▲1,624億円でまだ赤字
01楽天は、何で儲けている会社?
A. 買い物で会員を集め、金融で回収する。モバイルはまだ投資の段階
楽天グループの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか
細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください
楽天グループのエコシステム — 仕入れ、つくり、届くまで
仕入先から、部品や素材が入ってくる
インターネットサービスが1.28兆円
楽天市場を中心とした売上で全体の56%。出店者からの手数料と広告が中心で、自社で在庫を持つ小売とは利益の出方が違う。
フィンテックが8,204億円
カード・銀行・証券・保険。買い物で集めた会員が、そのまま金融の顧客になるという流れができている。総資産26.5兆円の大半もここに属する。
モバイルは4,407億円
携帯事業。基地局への投資が先行する事業で、全社の赤字の主因でもある。会員をつなぎ止める役割と、費用の重さが同居している。
02売上2.28兆円は、何でできている?
A. ネット通販が半分、金融が3分の1。
3事業の合計(2.54兆円)は連結売上2.28兆円を上回る。セグメント間の取引を差し引く前の数字だからで、上のバーは3事業の合計に対する割合を示している。
特徴は総資産の重さで、26.5兆円は売上の11.6倍。銀行・証券・カードを抱えると預金や貸付金が資産として積み上がるためで、製造業やネット企業の常識では読めないバランスシートになる。
03なぜ楽天は黒字転換できた?
A. モバイルの赤字が縮み、金融が伸びたから。
営業利益が2,659億円ぶん改善した
▲2,129億円から+530億円へ。1年でこれだけ動くのは、費用が重い事業の赤字が縮んだときの典型的な形になる。
それでも最終損益は▲1,624億円
営業段階では黒字でも、支払利息などを引いた最後は赤字。借入で事業を回している以上、金利の負担が最終利益に効いてくる。
04いま、何と戦っている?
同期の実績より
A. 借入の重さと、モバイルの採算。
5年連続の最終赤字
20/12期から5期連続で親会社帰属損益が赤字。営業利益が黒字化しても、利息の負担を超えるだけの利益が要る。
モバイルは会員をつなぐが、費用も重い
基地局への投資が続く一方、携帯があることで楽天の会員が経済圏に留まる。赤字と囲い込みのどちらが勝つかが問われている。
05他のネット企業と、何が違う?
A. 銀行や証券を本体に抱えていること。
| 楽天 | メルカリ | ソフトバンク | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2.28兆円 | 1,926億円 | 6.54兆円 |
| 営業利益 | 530億円 | 278億円 | 9,890億円 |
| 最終損益 | ▲1,624億円 | +261億円 | +5,261億円 |
| 総資産/売上 | 11.6倍 | 2.8倍 | 2.5倍 |
| ROE | ▲18.4% | 30.5% | 20.5% |
各社の直近有価証券報告書より(楽天は24/12期、メルカリは25/6期、ソフトバンクは25/3期)。
06営業利益は黒字。なぜ最終赤字?
A. 営業の外側で、利息などが利益を上回るから。
営業利益は+530億円まで戻ったが、親会社帰属の最終損益は▲1,624億円。この差は主に借入や社債の利息にあたる。総資産26.5兆円を支えるだけの資金調達には、それだけの費用がかかる。
5年の推移を見ると、赤字幅は▲3,772億円(22/12期)を底に2年連続で縮小している。営業の黒字化は達成した。次は利息を超えられるかという段階にある。
| 指標 | 20/12期 | 21/12期 | 22/12期 | 23/12期 | 24/12期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1.46兆円 | 1.68兆円 | 1.92兆円 | 2.07兆円 | 2.28兆円 |
| 親会社帰属利益 | ▲1,142億円 | ▲1,338億円 | ▲3,772億円 | ▲3,395億円 | ▲1,624億円 |
| ROE | ▲17.0% | ▲15.7% | ▲40.4% | ▲41.7% | ▲18.4% |
| 総資産 | 12.5兆円 | 16.8兆円 | 20.4兆円 | 22.6兆円 | 26.5兆円 |
売上は5年で1.57倍に伸び続けている。赤字は22/12期を底に縮小しており、総資産は一貫して増えている(金融事業の成長による)。
--まとめ
楽天は、買い物で会員を集め、カード・銀行・証券で回収する経済圏の会社。総資産26.5兆円は売上の11.6倍で、実態は金融グループに近い。25/3期に営業利益は黒字転換したが、利息の負担で最終赤字が続いており、そこを超えられるかが焦点になる。
- 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
- 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
- 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)
出典: 楽天グループ 第28期 有価証券報告書(EDINET S100VHZ5・2025年3月28日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。
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