ZAIBIZ|企業分析

楽天グループ4755有報もと概算

東証プライム・IT・通信|2024年12月期 通期
売上収益
2.28兆円
営業利益
530億円
総資産
26.5兆円
概要詳細
このページの要点
  • 総資産26.5兆円は売上の11.6倍。実態は金融グループに近い
  • 営業利益は▲2,129億円から+530億円へ黒字転換
  • ただし最終損益は▲1,624億円でまだ赤字

01楽天は、何で儲けている会社?

A. 買い物で会員を集め、金融で回収する。モバイルはまだ投資の段階

楽天グループの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか

¥お金モノ・サービス情報・契約
出店者・加盟店楽天市場の店舗など楽天グループインターネットサービス売上 1.28兆円フィンテック売上 8,204億円モバイル売上 4,407億円会員楽天IDの利用者楽天カード・銀行・証券決済・与信・運用フィンテック 売上8,204億円¥¥¥出品・掲載売上金の受け取り代金の支払い商品・サービス決済・与信をグループ内で回すポイントで会員を囲い、金融で回収する経済圏総資産26.5兆円は売上の11.6倍。実態は金融グループに近い※金額は第28期有報(24/12期)

細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください

1

インターネットサービスが1.28兆円

楽天市場を中心とした売上で全体の56%。出店者からの手数料と広告が中心で、自社で在庫を持つ小売とは利益の出方が違う。

2

フィンテックが8,204億円

カード・銀行・証券・保険。買い物で集めた会員が、そのまま金融の顧客になるという流れができている。総資産26.5兆円の大半もここに属する。

3

モバイルは4,407億円

携帯事業。基地局への投資が先行する事業で、全社の赤字の主因でもある。会員をつなぎ止める役割と、費用の重さが同居している。

02売上2.28兆円は、何でできている?

A. ネット通販が半分、金融が3分の1。

売上収益2.28兆円24/12期・連結・IFRS
インターネットサービス1.28兆円楽天市場・トラベル・広告など
フィンテック8,204億円カード・銀行・証券・保険
モバイル4,407億円携帯事業。投資が先行する

3事業の合計(2.54兆円)は連結売上2.28兆円を上回る。セグメント間の取引を差し引く前の数字だからで、上のバーは3事業の合計に対する割合を示している。

特徴は総資産の重さで、26.5兆円は売上の11.6倍。銀行・証券・カードを抱えると預金や貸付金が資産として積み上がるためで、製造業やネット企業の常識では読めないバランスシートになる。

03なぜ楽天は黒字転換できた?

A. モバイルの赤字が縮み、金融が伸びたから。

1

営業利益が2,659億円ぶん改善した

▲2,129億円から+530億円へ。1年でこれだけ動くのは、費用が重い事業の赤字が縮んだときの典型的な形になる。

2

それでも最終損益は▲1,624億円

営業段階では黒字でも、支払利息などを引いた最後は赤字。借入で事業を回している以上、金利の負担が最終利益に効いてくる。

04いま、何と戦っている?

同期の実績より

A. 借入の重さと、モバイルの採算。

財務

5年連続の最終赤字

20/12期から5期連続で親会社帰属損益が赤字。営業利益が黒字化しても、利息の負担を超えるだけの利益が要る。

事業

モバイルは会員をつなぐが、費用も重い

基地局への投資が続く一方、携帯があることで楽天の会員が経済圏に留まる。赤字と囲い込みのどちらが勝つかが問われている。

05他のネット企業と、何が違う?

A. 銀行や証券を本体に抱えていること。

楽天メルカリソフトバンク
売上収益2.28兆円1,926億円6.54兆円
営業利益530億円278億円9,890億円
最終損益▲1,624億円+261億円+5,261億円
総資産/売上11.6倍2.8倍2.5倍
ROE▲18.4%30.5%20.5%

各社の直近有価証券報告書より(楽天は24/12期、メルカリは25/6期、ソフトバンクは25/3期)。

06営業利益は黒字。なぜ最終赤字?

A. 営業の外側で、利息などが利益を上回るから。

営業利益は+530億円まで戻ったが、親会社帰属の最終損益は▲1,624億円。この差は主に借入や社債の利息にあたる。総資産26.5兆円を支えるだけの資金調達には、それだけの費用がかかる。

5年の推移を見ると、赤字幅は▲3,772億円(22/12期)を底に2年連続で縮小している。営業の黒字化は達成した。次は利息を超えられるかという段階にある。

5年の推移
指標20/12期21/12期22/12期23/12期24/12期
売上収益1.46兆円1.68兆円1.92兆円2.07兆円2.28兆円
親会社帰属利益▲1,142億円▲1,338億円▲3,772億円▲3,395億円▲1,624億円
ROE▲17.0%▲15.7%▲40.4%▲41.7%▲18.4%
総資産12.5兆円16.8兆円20.4兆円22.6兆円26.5兆円

売上は5年で1.57倍に伸び続けている。赤字は22/12期を底に縮小しており、総資産は一貫して増えている(金融事業の成長による)。

--まとめ

楽天は、買い物で会員を集め、カード・銀行・証券で回収する経済圏の会社。総資産26.5兆円は売上の11.6倍で、実態は金融グループに近い。25/3期に営業利益は黒字転換したが、利息の負担で最終赤字が続いており、そこを超えられるかが焦点になる。

ほかの会社を読むときも、同じ3つの問いが使える
  • 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
  • 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
  • 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)

出典: 楽天グループ 第28期 有価証券報告書(EDINET S100VHZ5・2025年3月28日提出)。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。

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財務数値
楽天グループの有価証券報告書(2024年12月期 通期)をもとに編集・要約した概算値
決算発表
決算短信・決算説明会資料 2024年12月期(2025年2月14日発表)
会社計画
2025年2月14日発表(2024年12月期 決算説明会)
株価
2026年6月26日時点のスナップショット(自動更新はしていません)

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