花王4452有報もと概算
東証プライム・化学・日用品|2024年12月期 通期
¥6,500 ▲45(+0.70%)
時価総額 3.0兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
花王は、衣料用洗剤「アタック」、紙おむつ「メリーズ」、洗顔・スキンケア「ビオレ」、化粧品「カネボウ」「SENSAI」などを展開する日用品・化粧品大手。ハイジーン&リビングケア、ヘルス&ビューティケア、ライフケア、化粧品の消費者向け4事業に、油脂・界面活性剤を扱うケミカル事業を加えた5事業構成。BtoC日用品で国内首位級のブランド群を持つ。
稼ぐ力|営業利益率
B(標準)9.0%
業種平均 10.9%
成長|売上成長率
A(高い)+6.3%
業種平均 5.3%
効率|ROE
A(高い)10.0%
業種平均 7.5%
体力|自己資本比率
A(高い)57.1%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
C(低め)27.7倍
業種平均 23.4倍
還元|配当利回り
A(高い)2.3%
一般的な目安 2.0%
要旨素材・化学の平均を下回る収益力。売上は堅調に増加、財務は厚め。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約39%は「ハイジーン&リビングケア」が占め、この事業の利益率は9.7%。全社の営業利益率は9.0%です。
売上はどこから1.63兆円
ハイジーン&リビングケア6,400億円・39%ヘルス&ビューティケア3,450億円・21%化粧品2,500億円ケミカル3,410億円・21%
細い帯=ライフケア 520億円。内訳は裏の表にも
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 1,466億円(9.0%)
費用1.48兆円・91%利益1,466億円
↓ 残った1,466億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 1,490億円
ハイジーン&リビングケア620億円・42%ヘルス&ビューティケア300億円・20%化粧品240億円・16%ケミカル330億円・22%
赤字のライフケア(-20億円)は帯に含めていない。セグメント計は全社・消去項目を含まないため連結(1,466億円)と一致しない。
提供価値
「アタック」「メリーズ」「ビオレ」など日用品の強力ブランド群と、独自開発の界面活性剤・素材技術(ケミカル事業)を内製する垂直統合モデル。R&D 約600億円(売上比4.1%)でブランド価値を支え、選択的な価格改定後も国内日用品で高シェアを維持。
仕入れ先・パートナー
油脂・原料
Wilmar / 国内油脂メーカー
パーム油・ヤシ油(界面活性剤原料)
原材料費 約7,000億円規模
石化原料
三井化学 / 出光興産等
高級アルコール・エチレンオキサイド
包装・容器
東洋製罐 / 凸版印刷等
ボトル・詰め替えフィルム・紙容器
パルプ・不織布
海外パルプサプライヤー
紙おむつ「メリーズ」向け吸収体・不織布
物流
センコー / 花王ロジ
全国配送・SCM
花王(コア活動)
研究開発 / 素材技術
R&D 約600億円(売上比4.1%)界面活性剤・乳化・洗浄技術を内製し、ケミカルからコンシューマーまで一気通貫で活用
界面科学皮膚研究ファインケミカルESG(環境配慮処方)
↓
ブランド・マーケティング
アタック・メリーズ・ビオレ・カネボウなど多数のメガブランドを育成・刷新
アタック(衣料洗剤)ビオレ(スキンケア)メリーズヘルシア
↓
製造(コンシューマー)
売上 約1.3兆円国内外の自社工場で洗剤・トイレタリー・サニタリー製品を量産
TCR活動(原価低減)詰め替え化省資源生産
↓
ケミカル事業
売上 約4,100億円界面活性剤・油脂誘導体などを他社へ外販し収益の柱に
界面活性剤外販情報材料産業用油剤
顧客セグメント
小売(GMS/ドラッグ)
イオン / ウエルシア / マツキヨココカラ
アタック・ビオレ・メリーズの店頭販売
国内消費財の主販路
EC・通販
Amazon / 楽天 / 自社EC
化粧品・トイレタリーのオンライン販売
化粧品ユーザー
カネボウ・SOFINA顧客
百貨店カウンセリング+セルフ化粧品
化粧品 約2,400億円
産業・素材顧客
製紙・製鉄・他化学メーカー
ケミカル事業の界面活性剤・油剤を外販
海外消費者
中国・東南アジア・米州
メリーズ(アジア中心)・ビオレ・molton brown等の海外展開
海外売上比率 約4割
コストフロー(仕入れ先へ)
売上原価+販管費 約1兆4,000億円(原材料・物流・販促費)
売上フロー(顧客から)
売上収益 約1兆6,300億円
営業利益
営業利益 約1,470億円(約9.0%)
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
1991年以降35期連続増配という日本トップクラスの連続増配記録に象徴される高い財務規律と安定キャッシュフロー。界面活性剤・油脂化学の独自技術を消費財に転用する川上〜川下の垂直統合、研究開発力(売上比約3.7%)が参入障壁を形成。自己資本比率57.1%と財務は極めて健全。
主なリスク
原材料(油脂・包材)価格の変動、国内人口減による日用品市場の縮小、化粧品事業の回復遅れ(中国インバウンド・現地需要の不確実性)、円安による輸入原料コスト増。構造改革の実行スピードが利益回復のカギ。