三菱ケミカルグループ4188有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
三菱ケミカルグループは、化学品から機能性材料、産業ガス、医薬品まで手がける国内最大級の総合化学メーカーです。高機能フィルムや電池材料などのスペシャリティマテリアルズ、世界首位級シェアを持つMMA(アクリル樹脂原料)、石化基盤のベーシックマテリアルズ、産業ガス(日本酸素HD)、医薬品(田辺三菱製薬)の5つのセグメントで構成されます。石化からスペシャリティ、産業ガス、医薬まで広がる事業規模と技術基盤が特徴です。ポートフォリオ改革の一環として、一部事業の切り出しを含む構造改革を進めています。
02業績の推移
直近4四半期の売上は4.41兆円で、前年の同じ4四半期から+0.5%。営業利益率は4.5%、ROEは2.6%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24Q1 | 1.07兆円 | 720億円 | 6.7% | 330億円 | ¥880 |
| 24Q2 | 1.10兆円 | 680億円 | 6.2% | 310億円 | ¥840 |
| 24Q3 | 1.11兆円 | 640億円 | 5.8% | 300億円 | ¥760 |
| 24Q4 | 1.11兆円 | 580億円 | 5.2% | 256億円 | ¥800 |
| 25Q1 | 1.09兆円 | 520億円 | 4.8% | 130億円 | ¥820 |
| 25Q2 | 1.10兆円 | 510億円 | 4.6% | 120億円 | ¥850 |
| 25Q3 | 1.10兆円 | 490億円 | 4.5% | 110億円 | ¥900 |
| 25Q4 | 1.12兆円 | 447億円 | 4.0% | 90億円 | ¥1,095 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY24 | 4.39兆円 | 2,620億円 | 6.0% | 1,196億円 | — |
| FY25 | 4.41兆円 | 1,967億円 | 4.5% | 450億円 | +0.5% |
03会社計画 — 26/3期 会社予想
会社計画は未収録です。営業利益率4.5%は素材・化学8社中7位で、業界平均10.9%との差は-6.4ポイントです。
会社の見立て:2026年3月期予想は田辺三菱製薬(ファーマ事業)の譲渡完了を前提に、ファーマ事業を期初から非継続事業として扱う。このため売上収益は前期比減少だが、コア営業利益2,650億円・親会社帰属当期利益1,450億円を見込み実質増益。為替前提や石化市況の回復、構造改革の効果を織り込む。2025年5月13日発表
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上4.41兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は450億円。
05株主への還元と持ち主
| 外国人株主計 | 34.0% |
| 個人・その他 | 18.5% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 14.5% |
| 日本カストディ銀行 | 6.1% |
| 明治安田生命保険 | 3.2% |
06経営の体制
幅広い事業を支える技術・研究人材の育成やダイバーシティ推進に取り組み、環境・安全に配慮したサステナビリティ経営を進めているとみられる。
07経営方針と課題 — 有報から
中期経営計画に沿って、ファーマや産業ガス事業の切り出しを含むポートフォリオ改革を進め、収益力の底上げを図る方針とみられます。市況に左右されやすい石化基盤の再構築と、スペシャリティ分野への経営資源シフトが戦略の中心です。財務レバレッジが高いため、構造改革を通じた収益性と財務体質の改善が重視されていると考えられます。
- 01赤字が続く石化基盤事業の構造改革と収益性の改善を進めること
- 02ファーマ・産業ガス事業の切り出しを含むポートフォリオ改革を着実に実行すること
- 03有利子負債の水準に配慮した財務体質の改善と株主還元の持続性確保
石化基盤事業はナフサ市況や海外需要の影響を強く受け、赤字となる局面もあり業績の変動要因となる。
構造改革に伴う一過性費用や減損が営業利益・純利益を圧迫する可能性がある。
財務レバレッジが高く、金利・為替の変動が調達コストや業績への感応度を高める。
化学・医薬事業は環境規制や薬事規制の下にあり、規制強化がコストや事業運営に影響し得る。
08投資の中身
電池材料や高機能フィルムなどのスペシャリティ分野、医薬品の創薬を中心に研究開発を継続し、高付加価値製品の開発に注力しているとみられる。
09同業のなかでの位置
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、営業利益と株価が逆に動く傾向がうかがえます。金利・市況など業績以外の要因が効いている可能性があります。