キヤノン7751有報もと概算
東証プライム・電機・精密|2024年12月期 通期
¥5,200 ▲42(+0.81%)
時価総額 5.1兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
キヤノンは、プリンティング(オフィス複合機・レーザープリンター)、イメージング(カメラ・レンズ)、メディカル(CT・MRI等診断機器)、インダストリアル(半導体・FPD露光装置)の4事業で構成される精密機器メーカー。レーザープリンターのトナーカートリッジ等の消耗品によるストック型収益が安定基盤。半導体露光装置(ナノインプリント)で新領域への展開を進める。
稼ぐ力|営業利益率
B(標準)6.2%
業種平均 17.4%
成長|売上成長率
A(高い)+8.7%
業種平均 6.2%
効率|ROE
C(低め)4.0%
業種平均 13.3%
体力|自己資本比率
S(際立つ)67.2%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
D(弱い)31.4倍
業種平均 37.8倍
還元|配当利回り
A(高い)3.0%
一般的な目安 2.0%
要旨電機・精密の平均を下回る収益力。売上は堅調に増加、財務はきわめて厚い。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約51%は「プリンティング」が占め、この事業の利益率は13.0%。全社の営業利益率は6.2%です。
売上はどこから4.51兆円
プリンティング2.30兆円・51%イメージング8,600億円・19%メディカル6,200億円インダストリアル4,200億円
細い帯=その他 3,100億円。内訳は裏の表にも
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 2,800億円(6.2%)
費用4.23兆円・94%
↓ 残った2,800億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 5,000億円
プリンティング3,000億円・60%イメージング1,200億円・24%インダストリアル600億円
プリンティングは売上の51%で、利益の60%を稼ぐ。赤字のメディカル(-2,200億円)は帯に含めていない。細い帯=その他。セグメント計は全社・消去項目を含まないため連結(2,800億円)と一致しない。
提供価値
光学技術を核に、複合機(事務機)で世界トップシェアを握りつつ、メディカル・半導体露光・産業機器の4本柱に多角化。「捨てる技術」より「磨く技術」で収益基盤を分散。
仕入れ先・パートナー
半導体・電子部品
ルネサス / ローム等
コントローラIC・センサー・パワー半導体
光学素材・ガラス
オハラ / HOYA
光学ガラス・レンズ素材
原材料・部品費の中核
トナー・消耗材
化学メーカー各社
トナー樹脂・感光体ドラム材料
EMS・受託製造
国内外協力工場
プリンタ・カメラの組立委託
M&A取得事業
東芝メディカル(現キヤノンメディカル)
CT・MRI・超音波の事業基盤
キヤノン(コア活動)
プリンティング(事務機)
売上 約2.5兆円複合機・レーザー/インクジェットプリンタとトナー消耗品でストック収益を確保
オフィス複合機トナー消耗品プロダクション印刷
↓
イメージング(カメラ)
売上 約1.0兆円ミラーレス「EOS R」シリーズとRFレンズで一眼市場の世界シェア首位
EOS R・ミラーレスRFレンズネットワークカメラ
↓
メディカル
売上 約0.6兆円東芝メディカル買収を基盤にCT・MRI・超音波で画像診断装置を展開
CT・MRI超音波診断体外診断
↓
インダストリアル(半導体/FPD)
半導体・FPD露光装置とナノインプリント(NIL)で次世代微細化に挑む
半導体露光装置FPD露光装置ナノインプリント
顧客セグメント
オフィス・法人
企業・官公庁
複合機の導入+保守・トナー継続課金
売上 約2.5兆円(最大事業)
カメラ愛好家・プロ
一般消費者・写真館・報道
EOS Rシリーズ・RFレンズ・業務用機材
ミラーレス世界シェア首位
医療機関
病院・クリニック
CT・MRI・超音波などの画像診断装置
メディカル売上 約0.6兆円
半導体・パネルメーカー
半導体工場・FPD工場
露光装置・ナノインプリント装置
監視・産業用途
自治体・施設・工場
ネットワークカメラ・産業機器(Axis含む)
コストフロー(仕入れ先へ)
売上原価+販管費 約4.1兆円
売上フロー(顧客から)
売上高 約4.5兆円
営業利益
営業利益 約4,450億円(約10%)
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
オフィス複合機・レーザープリンターの世界トップシェアと、消耗品(トナー・インク)による高利益率のリカーリング収益。光学技術を核に、カメラ・医療・半導体露光まで多角展開する技術蓄積。実質無借金に近い強固な財務基盤。
主なリスク
2024年12月期は、増収(売上+8.7%)だったものの、メディカル事業で約1,651億円ののれん減損を営業費用(売上原価・販管費)に計上したため、営業利益は約0.28兆円・前期比約-25.5%の減益、当社株主帰属純利益も前期比約-39.5%の大幅減益となった。減損は営業利益段階で既に控除済みであり、営業利益・純利益ともに減益である点に留意。構造的リスクとして、オフィス印刷需要のペーパーレス化による縮小、ミラーレスカメラ市場の成熟、半導体・FPD露光装置の設備投資サイクル変動、円高進行による海外収益の目減り(海外売上比率約8割)。