アドバンテスト6857有報もと概算
東証プライム・電機・精密|2026年3月期 通期
¥9,500 ▲180(+1.93%)
時価総額 7.0兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
アドバンテストは、半導体テスタ(自動試験装置:ATE)で世界シェア首位の専業メーカー。SoC(システムLSI)テスタとメモリテスタを二本柱に、製造された半導体チップの良否を最終検査する装置を手掛ける。近年は生成AI向けのGPU・AIアクセラレータや、それらに搭載される高帯域メモリ(HBM)のテスト需要が急拡大し、2026年3月期は売上1兆1,286億円・営業利益4,991億円と過去最高を更新した。海外売上比率は9割超。
稼ぐ力|営業利益率
S(際立つ)44.2%
業種平均 17.4%
成長|売上成長率
S(際立つ)+44.7%
業種平均 6.2%
効率|ROE
S(際立つ)39.9%
業種平均 13.3%
体力|自己資本比率
S(際立つ)62.7%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
B(標準)18.6倍
業種平均 37.8倍
還元|配当利回り
C(低め)0.6%
一般的な目安 2.0%
要旨電機・精密の平均を上回る収益力。売上は力強く伸長、財務はきわめて厚い。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約85%は「半導体・コンポーネントテスタ」が占め、この事業の利益率は48.7%。全社の営業利益率は44.2%です。
売上はどこから1.13兆円
半導体・コンポーネントテスタ9,650億円・85%メカトロニクス関連1,080億円
細い帯=サービス・その他 560億円。内訳は裏の表にも
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 4,991億円(44.2%)
費用6,295億円・56%利益4,991億円・44%
↓ 残った4,991億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 4,990億円
半導体・コンポーネントテスタ4,700億円・94%
半導体・コンポーネントテスタは売上の85%で、利益の94%を稼ぐ。細い帯=メカトロニクス関連、サービス・その他。
提供価値
ATE(半導体テスタ)世界シェア約58%(メモリ・SoC合算)で首位。NVIDIA等のAI半導体(GPU/HBM)を「合格判定」する標準機V93000で生成AI需要を取り込み、営業利益率44.2%を達成。
仕入れ先・パートナー
FPGA・半導体
AMD(Xilinx) / インテル等
テスタ制御用FPGA・高速SoC・ロジックIC
コア部品は長期契約で確保
電子部品
村田製作所 / TDK等
高速アナログIC・コンデンサ・電源部品
精密機構部品
国内精密加工メーカー
テスト・ハンドラ用搬送・温度制御機構
製造委託・組立
EMS・群馬/シンガポール拠点
テストシステムの組立・実装
ソフトウェア
内製開発+ACS基盤
テストプログラム・データ解析基盤
アドバンテスト(コア活動)
R&D / 共同エンジニアリング
R&D 約1,000億円/年TSMC・Samsung・Intelと協業し最先端ノード向けテスタを先行開発
V93000T2000AI/HPC向け微細化対応
↓
SoCテスタ事業
テストシステム事業 1兆194億円GPU/CPU等の高性能ロジックを試験する世界標準機を供給
NVIDIA向けAMD/Qualcomm車載MCU(T2000)
↓
メモリテスタ事業
HBM・高性能DRAMの大量並列試験で歩留まりを確保
HBMDDR5並列測定
↓
メカトロ・サービス
テスト・ハンドラやデバイス・インタフェースの製造と保守を提供
ハンドラDIBグローバル保守
顧客セグメント
AI半導体設計
NVIDIA / AMD / ブロードコム
GPU・AIアクセラレータの最終試験用V93000
AI/HPC需要が成長牽引
ファウンドリ
TSMC / Samsung
最先端ノードの量産テスト・共同開発
テスタ標準機を全面採用
OSAT(後工程)
ASE / Amkor / JCET
受託組立・検査ラインへのテスタ大量導入
メモリメーカー
SK hynix / Micron / Samsung
HBM・DRAMのメモリテスタ需要
車載・産業IDM
ルネサス / インフィニオン等
車載MCU・パワー半導体向けT2000
コストフロー(仕入れ先へ)
売上原価+販管費 約6,295億円
売上フロー(顧客から)
売上収益 約1兆1,286億円
営業利益
営業利益 4,991億円(44.2%)
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
SoCテスタで世界シェア約5割を握る圧倒的地位。AI半導体は回路規模が大きく検査項目が膨大なため、1チップあたりのテスト時間・テスタ需要が従来比で大きく増える「テストインテンシティ上昇」の構造的追い風を享受。AI需要を背景に営業利益率は44%超まで上昇した。テスタ販売後のシステムレベルテスト(SLT)や保守・サービスが安定収益を生み、ソフト・サービス領域でも競争優位を拡大している。
主なリスク
半導体設備投資サイクルへの連動が大きく、市況反転時は受注が急減する。特定の大口顧客(ファウンドリ・大手ロジック/メモリメーカー)への依存度が高く、AI投資ブームが一服すれば反動減のリスク。米中の半導体輸出規制強化や米関税、円高進行による為替影響も業績変動要因となる。