ファナック6954有報もと概算
東証プライム・電機・精密|2025年3月期 通期
¥4,300 ▲35(+0.82%)
時価総額 4.23兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
ファナックは、CNC(コンピュータ数値制御装置)で世界トップシェアを握る工作機械の頭脳メーカー。産業用ロボット、ロボマシン(小型加工機・射出成形機)、サーボモータ・レーザも展開し、FA(ファクトリー・オートメーション)市場の中核を担う。生産は山梨県の本社周辺に集約し、ロボットがロボットを作る高度自動化工場で高い原価競争力を維持する。
稼ぐ力|営業利益率
A(高い)18.2%
業種平均 17.4%
成長|売上成長率
C(低め)-3.0%
業種平均 6.2%
効率|ROE
B(標準)6.1%
業種平均 13.3%
体力|自己資本比率
S(際立つ)84.1%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
D(弱い)35.7倍
業種平均 37.8倍
還元|配当利回り
A(高い)2.0%
一般的な目安 2.0%
要旨電機・精密の平均並みの収益力。売上はほぼ横ばい、財務はきわめて厚い。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約37%は「ロボット」が占め、この事業の利益率は16.9%。全社の営業利益率は18.2%です。
売上はどこから7,673億円
FA(CNC・サーボ)2,610億円・34%ロボット2,840億円・37%ロボマシン・サービス2,223億円・29%
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 1,398億円(18.2%)
費用6,275億円・82%利益1,398億円・18%
↓ 残った1,398億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 1,398億円
FA(CNC・サーボ)670億円・48%ロボット480億円・34%ロボマシン・サービス248億円・18%
FA(CNC・サーボ)は売上の34%で、利益の48%を稼ぐ。
提供価値
工作機械用CNC装置で世界シェア約5割(国内約7割)、産業用ロボットでも世界首位級。「黄色い工場」の高度自動化と実質無借金経営で、営業利益率約20%の高収益を実現。
仕入れ先・パートナー
電子部品
村田製作所 / TDK / ローム
コンデンサ・パワー半導体・受動部品
材料費に計上
鋳物・機構部品
国内鋳造・機械加工サプライヤー
ロボット筐体・サーボモータ機構部材
サーボ・制御内製
自社(忍野・筑波等)
サーボモータ・スピンドル・CNCを内製
ソフトウェア
内製開発部門
CNC制御ソフト・FIELD system
物流・据付
国内外パートナー
重量機器の輸送・現地据付サービス
ファナック(コア活動)
CNC・サーボ開発
FA売上 約1,948億円工作機械の頭脳となるCNC装置とサーボモータを内製で設計・量産
CNC(世界シェア約50%)サーボモータスピンドルFANUC規格
↓
黄色い工場の自動化生産
山梨・忍野の自社工場でロボットがロボットを造る高度自動化生産
無人化ライン内製主義高い垂直統合
↓
産業用ロボット製造
ロボット売上 約3,296億円溶接・搬送・組立用ロボットを世界首位級の規模で供給
多関節ロボット協働ロボット自動車・EMS向け
↓
サービス・保守網
世界260拠点超で24時間サポートし顧客ラインの稼働を維持
グローバル保守予防保全IoT(FIELD system)
顧客セグメント
工作機械メーカー
DMG森精機 / 牧野フライス / ヤマザキマザック
CNC装置・サーボを組み込む(業界標準)
国内シェア約7割
自動車メーカー
トヨタ・ホンダ・テスラ等
溶接・組立ラインの産業用ロボット
ロボット主力需要
EMS・電子
Foxconn等スマホ製造
ロボドリル(小型切削加工機)で筐体加工
中国市場で堅調
海外製造業
中国・欧米・アジア
FA・ロボット需要の取り込み
海外売上比率 約8割
保守・既存顧客
稼働中設備のオーナー
保守契約・スペアパーツ・改造
コストフロー(仕入れ先へ)
材料・部品費+製造費 約6,380億円
売上フロー(顧客から)
売上高 約7,971億円
営業利益
営業利益 1,588億円(19.9%)
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
CNCの世界シェア約5割という圧倒的地位と、サーボ・モータからソフトまで一貫内製する技術力。徹底した自動化生産で18%超の営業利益率を確保。有利子負債ほぼゼロの実質無借金経営で、1兆円超の手元資金を持ち景気変動への耐性が極めて高い。
主なリスク
中国を中心とした設備投資サイクルへの強い感応度(景気後退期は受注が急減)、円高進行による海外売上の目減り、EV・半導体向け工作機械需要の変動、米中貿易摩擦に伴う中国市場の不確実性。