TDK6762有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
TDKは電子部品メーカーで、収益の柱は子会社ATL(Amperex)が手がけるスマートフォン向けリチウムイオンポリマー電池です。このエナジー応用製品に加え、MLCCなどの受動部品、各種センサ、HDD用磁気ヘッドを中心とする磁気応用製品の4セグメントを展開しています。売上のおよそ半分を二次電池が占め、電機・自動車・データセンター向けに世界各地へ供給する構造です。フェライトなどの磁性材料に端を発する素材技術を基盤に、幅広い電子デバイスへ横展開しています。
02業績の推移
TDKの売上は前年比+3.7%、営業利益率は10.9%、ROEは7.4%です。電機・精密の平均営業利益率は17.4%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24Q1 | 5,350億円 | 520億円 | 9.7% | 300億円 | ¥2,300 |
| 24Q2 | 5,600億円 | 580億円 | 10.4% | 340億円 | ¥1,750 |
| 24Q3 | 5,750億円 | 680億円 | 11.8% | 380億円 | ¥1,500 |
| 24Q4 | 5,350億円 | 620億円 | 11.6% | 275億円 | ¥1,450 |
| 25Q1 | 5,460億円 | 610億円 | 11.2% | 330億円 | ¥1,600 |
| 25Q2 | 5,530億円 | 630億円 | 11.4% | 340億円 | ¥2,050 |
| 25Q3予 | 5,600億円 | 620億円 | 11.1% | 340億円 | ¥2,450 |
| 25Q4予 | 5,460億円 | 544億円 | 10.0% | 285億円 | ¥2,650 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY24 | 2.21兆円 | 2,400億円 | 10.9% | 1,295億円 | — |
03会社計画 — 26/3期 会社予想
会社計画は今期の売上1.11兆円・営業利益率10.5%。直近4四半期の実績は売上2.21兆円・利益率11.5%でした。
会社の見立て:二次電池(スマホ・AIデバイス向け)の数量増とセンサ・受動部品の回復を前提。為替前提140円/ドル。米国関税の不確実性は保守的に織り込み。2025/5/1 通期決算短信
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上2.21兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は1,325億円。
05株主への還元と持ち主
| 外国人株主計 | 38.0% |
| 個人・その他 | 20.8% |
| 日本マスタートラスト信託 | 16.2% |
| 日本カストディ銀行 | 6.5% |
| 自己株式 | 1.5% |
06経営の体制
グローバルに広がる生産・開発拠点で多様な人材の確保と育成を進めています。素材から製品までを支える技術者層の維持・強化がサステナビリティ経営の要となっています。
07経営方針と課題 — 有報から
スマホ向け電池で築いた地位を軸に、AI機器・ウェアラブルや車載電動化といった成長領域へ資源を振り向ける方針です。素材からの一貫生産という強みを生かし、小型・高容量化などの付加価値を高めて収益基盤を固めます。成熟したスマホ市場に依存しすぎない事業構成への転換が経営の基調となっています。
- 01スマホ市場の成熟に備え、車載・産業・データセンターなど電池の用途を広げること。
- 02中国・韓国勢との価格競争のなかで、素材技術に裏打ちされた差別化を維持すること。
- 03構造的に需要が減退するHDD用磁気ヘッド事業の位置づけを見直すこと。
収益の柱である二次電池がスマホ需要に強く連動し、中国景気の減速や地政学リスクの影響を受けやすい構造です。
電池材料の市況変動や、中国・韓国の電池メーカーとの価格競争が採算を圧迫する可能性があります。
海外売上比率が高く、円高が進行すると換算後の収益が目減りしやすい特性があります。
HDD用磁気ヘッドのような構造的需要減の領域を抱え、製品ポートフォリオの新陳代謝が課題となります。
08投資の中身
小型・高容量の二次電池や、微細加工技術を生かしたセンサ・磁気デバイスの開発に重点を置いています。AI機器や車載電動化を見据えた次世代素材・部品の研究にも継続的に投資しています。