TDK6762有報もと概算
東証プライム・電機・精密|2025年3月期 通期
¥2,650 ▲22(+0.84%)
時価総額 3.0兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
TDKは、スマートフォン向けリチウムイオン電池(子会社ATL/Amperex)で世界首位の電子部品メーカー。MLCCなどの受動部品、HDD用磁気ヘッド、各種センサ、インダクタを世界の電機・自動車・データセンター向けに供給する。売上の約半分を占める二次電池が収益の柱で、村田製作所とスマホ部品で競合する。
稼ぐ力|営業利益率
A(高い)10.9%
業種平均 17.4%
成長|売上成長率
B(標準)+3.7%
業種平均 6.2%
効率|ROE
B(標準)7.4%
業種平均 13.3%
体力|自己資本比率
A(高い)52.7%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
C(低め)23.2倍
業種平均 37.8倍
還元|配当利回り
B(標準)1.4%
一般的な目安 2.0%
要旨電機・精密の平均を下回る収益力。成長は緩やか、財務は厚め。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約43%は「エナジー応用製品」が占め、この事業の利益率は14.4%。全社の営業利益率は10.9%です。
売上はどこから2.21兆円
エナジー応用製品9,400億円・43%受動部品6,500億円・29%センサ応用製品3,200億円磁気応用製品3,000億円
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 2,540億円(11.5%)
費用1.96兆円・89%利益2,540億円
↓ 残った2,540億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 2,450億円
エナジー応用製品1,350億円・55%受動部品720億円・29%センサ応用製品200億円
エナジー応用製品は売上の43%で、利益の55%を稼ぐ。細い帯=磁気応用製品。セグメント計は全社・消去項目を含まないため連結(2,540億円)と一致しない。
提供価値
受動部品(MLCC・インダクタ)とATL買収で得たスマホ用リチウムイオン電池の二枚看板。ATLはスマホ電池で世界シェア約4割、iPhone・Galaxyに供給。MLCCは村田・サムスン電機に次ぐ世界3位級で、高圧・車載用に強み。
仕入れ先・パートナー
セラミック原料
BaTiO3(チタン酸バリウム)系メーカー
MLCC用誘電体セラミック粉末
電池材料
正極材・電解液・セパレータメーカー
コバルト酸リチウム正極・電解液(ATL向け)
希土類・磁性材
ネオジム・フェライト原料サプライヤー
磁石・磁性コア用材料
金属材料
ニッケル・銅・銀ペースト供給元
MLCC内部電極・端子用金属
製造装置
積層・焼成装置メーカー
MLCC積層機・電池製造設備
TDK(コア活動)
受動部品(MLCC・インダクタ)
売上 約5,600億円高圧・車載対応MLCCで世界3位級(首位村田・2位サムスン電機)、AIサーバー向け需要も拡大
MLCCインダクタ車載1000V級AIサーバー
↓
エナジー応用(ATL)
売上 約1.2兆円香港子会社ATLがスマホ用Li-ion電池で世界シェア約4割を握る
小型二次電池ATLスマホ電池ESS
↓
センサ応用
TMR磁気センサ・温度圧力センサをスマホ・車載・産業向けに展開
TMRセンサMEMS車載センサ
↓
磁気応用(HDDヘッド)
データセンター向けニアライン用HDD磁気ヘッドで高シェア
HDD磁気ヘッドニアラインデータセンター
顧客セグメント
スマホメーカー
Apple / Samsung / 中国Android勢
ATL製スマホ電池・MLCC・センサを供給
ICT市場が最大顧客
自動車・車載
完成車・Tier1(デンソー等)
車載MLCC・センサ・EMC部品(xEV化で増加)
1台1万個規模へ
データセンター
サーバ・HDDメーカー
AIサーバー向けMLCC・ニアラインHDDヘッド
ESS・産機
蓄電システム・産業機器メーカー
中型二次電池・電源・産業用部品
EMS・流通
EMS・電子部品商社
汎用受動部品の量産供給チャネル
コストフロー(仕入れ先へ)
材料・部品費 約1.0兆円(売上原価 約1.55兆円)
売上フロー(顧客から)
売上収益 約2.20兆円
営業利益
営業利益 約2,242億円(10.2%)
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
スマホ向けリチウムイオンポリマー電池で世界シェア首位(ATL)。フェライト・磁性材料からの一貫した素材技術と、HDDヘッド・センサで培った微細加工技術が参入障壁を形成。AI機器・ウェアラブル向けの小型高容量電池で高い競争力を持つ。
主なリスク
スマホ市場の成熟と中国景気・地政学リスクへの感応度が高い。二次電池の市況・原材料価格変動、中国・韓国電池メーカーとの価格競争、HDD向け磁気ヘッドの構造的需要減、為替(円高)感応度の高さがリスク。