富士フイルムホールディングス4901有報もと概算
東証プライム・電機・精密|2025年3月期 通期
¥3,300 ▲18(+0.55%)
時価総額 4.0兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
富士フイルムホールディングスは、ヘルスケア(バイオCDMO・メディカルシステム・ライフサイエンス)、マテリアルズ(半導体材料・ディスプレイ材料・産業機材)、ビジネスイノベーション(複合機・ソリューション)、イメージング(カメラ・写真)の4事業を展開する多角化企業。写真フィルムで培った化学・光学・解析技術を医療・電子材料へ転換し、構造転換に成功した代表企業。
稼ぐ力|営業利益率
A(高い)10.1%
業種平均 17.4%
成長|売上成長率
A(高い)+5.0%
業種平均 6.2%
効率|ROE
B(標準)7.9%
業種平均 13.3%
体力|自己資本比率
S(際立つ)60.8%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
B(標準)17.2倍
業種平均 37.8倍
還元|配当利回り
B(標準)1.4%
一般的な目安 2.0%
要旨電機・精密の平均を下回る収益力。売上は堅調に増加、財務はきわめて厚い。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約46%は「ビジネスイノベーション」が占め、この事業の利益率は10.3%。全社の営業利益率は10.1%です。
売上はどこから3.18兆円
ヘルスケア1.05兆円・33%ビジネスイノベーション1.45兆円・46%マテリアルズ4,500億円
細い帯=イメージング 2,300億円。内訳は裏の表にも
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 3,200億円(10.1%)
費用2.86兆円・90%利益3,200億円
↓ 残った3,200億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 3,800億円
ヘルスケア1,100億円・29%ビジネスイノベーション1,500億円・39%マテリアルズ750億円・20%イメージング450億円
マテリアルズは売上の14%で、利益の20%を稼ぐ。セグメント計は全社・消去項目を含まないため連結(3,200億円)と一致しない。
提供価値
写真フィルムで培ったコラーゲン・乳化・微粒子・薄膜製膜の技術を医薬・半導体・化粧品へ多角転用。バイオCDMOで世界最大級の生産能力を持ち、メディカルシステム・半導体材料・複合機を加えた4本柱で売上収益3.2兆円・過去最高益を更新。
仕入れ先・パートナー
バイオ原料・培地
Cytiva / Thermo Fisher
細胞培養培地・シングルユース機器・クロマト樹脂
CDMO向け資材調達
化学・素材
三菱ケミカル / 富士化学
高機能ポリマー・特殊溶剤・感光性原料
光学・電子部品
ソニーセミコン / 国内電子部品
CMOSセンサー・画像処理IC(カメラ・内視鏡向け)
製造装置
東京エレクトロン等
半導体材料の塗布・評価・製造設備
OEM・協業
コニカミノルタ
複合機(A3カラー機)の相互OEM供給
富士フイルムホールディングス(コア活動)
ヘルスケア(バイオCDMO・メディカル)
売上 約1.1兆円バイオ医薬の受託製造(CDMO)を米英デンマークで大増設し内視鏡・CT・AI診断も展開
バイオCDMO内視鏡・画像診断再生医療AI診断 REiLI
↓
エレクトロニクス(半導体材料)
売上 約4,000億円フォトレジスト・CMP・洗浄液など微細加工向け材料を世界の前工程に供給
フォトレジストCMPスラリー高純度薬液ディスプレイ材料
↓
ビジネスイノベーション(複合機・DX)
売上 約1.0兆円旧富士ゼロックスの複合機・印刷機にDX・ソリューションサービスを付加
オフィス複合機プロダクション印刷DXソリューション
↓
イメージング(カメラ・写真)
高採算・成長領域ミラーレスGFX/X・instax・写真プリントで残存フィルム技術を収益化
instax(チェキ)ミラーレスX/GFX写真プリント
顧客セグメント
製薬企業(CDMO)
欧米メガファーマ・バイオベンチャー
抗体医薬・遺伝子治療の受託生産(バイオCDMO)
長期大型受託案件
病院・医療機関
国内外の病院・クリニック
内視鏡・X線/CT・AI画像診断・IVD
メディカル主力
半導体メーカー
TSMC / Samsung / Intel
フォトレジスト・CMP・洗浄薬液
前工程材料を供給
企業・オフィス
国内外の法人・印刷事業者
複合機・プロダクション印刷・DX
ストック型保守収益
個人消費者
カメラ・instaxユーザー
ミラーレス・チェキ・写真プリント
コストフロー(仕入れ先へ)
売上原価+販管費 約2.87兆円
売上フロー(顧客から)
売上高 約3兆1,958億円
営業利益
営業利益 3,302億円(約10.3%)
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
バイオ医薬品受託製造(CDMO)における世界有数の生産能力と、半導体プロセス材料(CMPスラリー・フォトレジスト等)の高シェア。フィルム由来のコラーゲン・ナノ分散・酸化制御技術を医療・材料・化粧品に横展開する技術基盤。複合機・消耗品によるリカーリング収益と、ミラーレス・チェキ(instax)のブランド力。
主なリスク
バイオCDMOの大型設備投資(米ノースカロライナ・デンマーク等)に伴う減価償却負担と稼働率リスク。半導体材料は半導体市況の循環変動に左右される。複合機(事務機)市場のペーパーレス化による構造縮小。円高進行による海外収益の目減り(海外売上比率約6割)。米国関税・原材料コストの上昇。