第一三共4568有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
第一三共は国内有数の総合製薬企業であり、独自の抗体薬物複合体(ADC)技術を中核に据えて医療用医薬品を研究・開発・販売しています。セグメントはがん領域を担うオンコロジー、循環器・疼痛などのスペシャルティ、ワクチンその他で構成され、収益源はHER2標的の抗がん剤を軸としたグローバル製品の売上と、海外提携先からの契約対価・ロイヤルティ収入です。海外パートナーとの協業により米欧亜での販売網を確保し、輸出比率の高い収益構造を築いています。国内の既存薬・ワクチン事業も安定した事業基盤を補完しています。
02業績の推移
直近4四半期の売上は1.86兆円で、前年の同じ4四半期から+19.2%。営業利益率は11.6%、ROEは12.6%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24Q1 | 3,800億円 | 300億円 | 7.9% | 290億円 | ¥5,450 |
| 24Q2 | 4,000億円 | 340億円 | 8.5% | 330億円 | ¥5,180 |
| 24Q3 | 3,900億円 | 300億円 | 7.7% | 300億円 | ¥4,720 |
| 24Q4 | 3,900億円 | 390億円 | 10.0% | 400億円 | ¥4,480 |
| 25Q1 | 4,500億円 | 500億円 | 11.1% | 480億円 | ¥4,180 |
| 25Q2 | 4,700億円 | 550億円 | 11.7% | 530億円 | ¥3,950 |
| 25Q3 | 4,600億円 | 520億円 | 11.3% | 500億円 | ¥3,720 |
| 25Q4 | 4,800億円 | 590億円 | 12.3% | 580億円 | ¥3,800 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY24 | 1.56兆円 | 1,330億円 | 8.5% | 1,320億円 | — |
| FY25 | 1.86兆円 | 2,160億円 | 11.6% | 2,090億円 | +19.2% |
03会社計画 — 26/3期 会社予想
会社計画は未収録です。営業利益率11.6%は医薬品6社中4位で、業界平均17.1%との差は-5.5ポイントです。
会社の見立て:ADC(抗体薬物複合体)エンハーツの適応拡大と地域横展開に加え、ダトロウェイ(Dato-DXd)の米欧承認・上市が売上成長を牽引する想定。2025年4月25日発表
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上1.86兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は2,090億円。
05株主への還元と持ち主
| 外国人株主計 | 34.2% |
| 個人・その他 | 25.6% |
| 国内法人 | 18.0% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 15.8% |
| 日本カストディ銀行 | 6.4% |
06経営の体制
研究開発を担う専門人材の確保・育成を重視し、多様な人材が力を発揮できる組織づくりや働きがいの向上に取り組んでいます。
07経営方針と課題 — 有報から
ADC創薬プラットフォームを競争優位の源泉と位置づけ、複数の主力候補を成長の柱に育てる研究開発重点型の戦略を掲げています。がん領域を中心とするグローバル展開の加速と、提携を通じた販売力の補完により、中長期の企業価値向上を目指しています。
- 01特定の主力製品への依存度が高く、収益源の多様化と後続パイプラインの育成が急務です。
- 02競合するADC・抗がん剤の台頭に対し、臨床的優位性と適応拡大で差別化を維持する必要があります。
- 03旺盛な研究開発投資と利益率のバランスを取りながら、持続的な成長投資の原資を確保することが求められます。
主力製品への収益依存度が高く、その市場環境や販売動向の変化が業績を大きく左右します。
新薬開発の失敗や承認遅延が生じた場合、多額の投資回収が困難となる可能性があります。
各国の薬価改定や規制当局の審査方針の変化が収益性に影響を及ぼします。
海外売上比率の上昇に伴い、為替相場の変動が業績に与える影響が大きくなっています。
08投資の中身
抗体薬物複合体(ADC)を中核とする独自の創薬技術基盤に経営資源を集中し、がん領域を中心に次世代の成長候補の研究開発を推進しています。
09同業のなかでの位置
- 中外製薬営業利益率 44.7%
- アステラス製薬営業利益率 20.5%
- 大塚ホールディングス営業利益率 13.9%
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、営業利益と株価が逆に動く傾向がうかがえます。金利・市況など業績以外の要因が効いている可能性があります。