第一三共4568有報もと概算
東証プライム・医薬品|2025年3月期 通期
¥3,800 ▲42(+1.12%)
時価総額 7.2兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
第一三共は国内第3位の総合製薬企業。独自のADC(抗体薬物複合体)技術を中核に、HER2標的の乳がん・胃がん治療薬「エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)」をアストラゼネカと共同で世界展開。2025年3月期は同社のグローバル売上が急拡大し、売上収益1.86兆円・営業利益2,160億円と大幅増益を達成。3ADC(エンハーツ、ダトロウェイ、HER3-DXd)を成長の柱に位置づける。
稼ぐ力|営業利益率
A(高い)11.6%
業種平均 17.1%
成長|売上成長率
S(際立つ)+19.0%
業種平均 13.6%
効率|ROE
A(高い)12.6%
業種平均 10.3%
体力|自己資本比率
A(高い)55.4%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
D(弱い)34.5倍
業種平均 38.0倍
還元|配当利回り
B(標準)1.6%
一般的な目安 2.0%
要旨医薬品の平均を下回る収益力。売上は力強く伸長、財務は厚め。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約51%は「オンコロジー」が占め、この事業の利益率は16.0%。全社の営業利益率は11.6%です。
売上はどこから1.86兆円
オンコロジー9,500億円・51%スペシャルティ7,100億円・38%ワクチン他2,000億円
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 2,160億円(11.6%)
費用1.64兆円・88%利益2,160億円
↓ 残った2,160億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 2,480億円
オンコロジー1,520億円・61%スペシャルティ780億円・31%
オンコロジーは売上の51%で、利益の61%を稼ぐ。細い帯=ワクチン他。セグメント計は全社・消去項目を含まないため連結(2,160億円)と一致しない。
提供価値
独自のADC(抗体薬物複合体)DXd技術を核に、エンハーツをアストラゼネカと共同開発・販売しグローバル成長。3つのADC(エンハーツ・ダトロウェイ・イジュド)を主力にオンコロジー企業へ転換。
仕入れ先・パートナー
抗体(原料)
中外/協和キリン等 バイオ原薬・CDMO
モノクローナル抗体・原薬
製造委託
リンカー・薬物
自社DXd技術+特殊化学品メーカー
リンカー・トポイソメラーゼ阻害剤ペイロード
共同開発パートナー
アストラゼネカ(AstraZeneca)
エンハーツ/ダトロウェイの共同開発・販売(プロフィットシェア)
一時金最大 数兆円規模
アライアンス
Merck & Co.(MSD)
ADC「HER3-DXd(イジュド)等」共同開発
研究開発
国内外の大学・バイオベンチャー
新規モダリティ・候補化合物(ライセンスIn)
第一三共(コア活動)
ADC創薬・研究開発
R&D投資 約5,000億円/年DXd-ADC技術プラットフォームでがん領域の次世代抗体薬物複合体を創出
DXd技術ADCオンコロジー
↓
グローバル治験・承認
FDA・EMA・PMDAへの申請でエンハーツ等の適応拡大と独占販売を確保
FDA申請適応拡大ブレークスルー指定
↓
製造・品質管理
ADC専用ラインを含む国内・欧州工場でGMP準拠の安定供給を実現
GMPADC製造安定供給
↓
共同販促・MR
アストラゼネカと協業しつつ自社MRが医師・がん拠点病院へプロモーション
MRがん拠点病院共同販促
顧客セグメント
がん拠点病院・医師
腫瘍内科医・乳腺外科医
エンハーツ・ダトロウェイの処方(HER2・HER3がん)
グローバル
共同販売パートナー
アストラゼネカ
エンハーツの海外共同販売・プロフィットシェア
提携売上の柱
薬局・卸
メディパル/アルフレッサ等
国内医薬品卸経由の流通(リクシアナ等)
海外市場
米国・欧州・アジア
オンコロジー製品のグローバル展開
海外売上比率 上昇
新規開発候補
肺がん・大腸がん等 適応拡大
ダトロウェイ・イジュドの新規適応で患者層拡大
コストフロー(仕入れ先へ)
売上原価+R&D・販管費 約1.57兆円
売上フロー(顧客から)
売上収益 約1.89兆円
営業利益
コア営業利益 3,128億円(約16.6%)
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
世界最先端のADC創薬プラットフォーム。エンハーツの圧倒的な臨床効果とアストラゼネカとの提携によるグローバル販売網。後続パイプライン(ダトロウェイ等)の厚み。安定収益源の国内既存薬・ワクチン事業も保有。
主なリスク
エンハーツ依存度の高さと特定品目集中リスク、競合ADCの台頭、巨額の研究開発投資による利益率圧迫、為替変動(海外売上比率の上昇)、薬価改定・規制当局審査リスク。
03同じ業界のほかの会社
医薬品で営業利益率が高い3社
- 中外製薬営業利益率 44.7%
- アステラス製薬営業利益率 20.5%
- 大塚ホールディングス営業利益率 13.9%