アステラス製薬4503有報もと概算
東証プライム・医薬品|2025年3月期 通期
¥1,680 ▲22(+1.33%)
時価総額 3.0兆円|2026年6月26日時点
概要詳細
アステラス製薬は、前立腺がん治療薬「イクスタンジ(Xtandi)」を主力とするグローバル製薬大手。尿路上皮がん治療薬「パドセブ(Padcev)」、更年期障害治療薬「フェゾリネタント(Veozah)」、胃がん治療薬「ビロイ(Vyloy)」を成長ドライバーとする。2025年3月期は売上収益が前期比19.2%増の1兆9,123億円、コア営業利益が同41.7%増の3,924億円といずれも過去最高を更新。純利益も前期比約3倍の507億円と大幅増益で、前年(2024年3月期)に多額の無形資産減損を計上した反動から本格回復した。
稼ぐ力|営業利益率
S(際立つ)20.5%
業種平均 17.1%
成長|売上成長率
S(際立つ)+19.2%
業種平均 13.6%
効率|ROE
C(低め)3.1%
業種平均 10.3%
体力|自己資本比率
A(高い)46.7%
安定の目安 40.0%
割安さ|PER
D(弱い)59.2倍
業種平均 38.0倍
還元|配当利回り
S(際立つ)4.4%
一般的な目安 2.0%
要旨医薬品の平均を上回る収益力。売上は力強く伸長、財務は厚め。
評価は S(際立つ)/ A(高い)/ B(標準)/ C(低め)/ D(弱い)の5段階。業種平均と一般的な目安による機械的な判定で、売買の推奨ではありません。
01何で儲けているのか
売上の約41%は「イクスタンジ」が占め、この事業の利益率は33.3%。全社の営業利益率は20.5%です。
売上はどこから1.92兆円
イクスタンジ7,800億円・41%パドセブ4,200億円・22%成長製品他3,000億円その他既存薬4,200億円・22%
↓ この売上から
何にいくら使い、いくら残ったか残り=営業利益 3,920億円(20.4%)
費用1.53兆円・80%利益3,920億円・20%
↓ 残った3,920億円は、どの事業が稼いだか
利益の内訳セグメント計 3,920億円
イクスタンジ2,600億円・66%パドセブ630億円・16%その他既存薬450億円
イクスタンジは売上の41%で、利益の66%を稼ぐ。細い帯=成長製品他。
提供価値
前立腺がん治療剤XTANDI(イクスタンジ)が売上の約48%を占める泌尿器・がん領域のグローバル製薬。M&Aで取り込んだPADCEV・IZERVAYなど重点戦略製品とADC・遺伝子治療への先行投資で「ポストXTANDI」の成長を狙う。
仕入れ先・パートナー
原薬・受託製造(CMO/CDMO)
国内外CMO・自社高薬理活性原薬工場
低分子原薬・製剤の製造受託
売上原価 約5,900億円
ADC技術ライセンス
味の素(AJICAP®)
次世代ADCの位置選択的結合・製造技術
共同開発パートナー
Pfizer(旧Seagen)/ Merck
PADCEV(Seagen由来ADC)の共同開発・併用臨床、KEYTRUDA併用
M&Aによる導入品
旧IVERIC bio / 旧Audentes
IZERVAY・遺伝子治療パイプライン
原材料・包装資材
化学メーカー・包材サプライヤー
添加剤・バイアル・PTP包装材
アステラス製薬(コア活動)
創薬・R&D
研究開発費 約4,000億円泌尿器・がん・眼科・遺伝子治療にPrimary Focusを絞り年4,000億円規模を投資
前立腺がんADC(抗体薬物複合体)遺伝子治療眼科
↓
M&A・事業開発
IVERIC bio(約8,000億円)等の買収で新薬パイプラインを外部から獲得
バイオベンチャー買収ライセンス導入ポストXTANDI
↓
グローバル製造・品質
高薬理活性原薬を含む製剤を自社・委託で製造しGMP品質を担保
高薬理活性原薬GMPサプライチェーン
↓
MR・市販後(メディカル)
世界70超の国・地域でMRと医学情報活動を通じ専門医へ製品を提供
専門医アプローチファーマコビジランス市販後調査
顧客セグメント
医療機関・専門医
泌尿器科・腫瘍内科・眼科
XTANDI・PADCEV・IZERVAYを処方
重点戦略5製品が成長を牽引
医薬品卸
メディパル・アルフレッサ等
国内流通の一次卸として病院・薬局へ供給
海外市場
米国・欧州・中国
XTANDI等の海外売上が大半を占める
海外売上比率 約8割
提携製薬
Pfizer / Merck
XTANDI共同販売・PADCEV併用提供
新領域患者
遺伝子治療・更年期症状
VEOZAH・遺伝子治療など新規モダリティ
コストフロー(仕入れ先へ)
売上原価+研究開発費+販管費 約1.87兆円
売上フロー(顧客から)
売上収益 約1.91兆円
営業利益
営業利益 410億円(2.1%)/ コア営業利益 約3,924億円
02強みと、見ておくべきリスク
競争優位性
Xtandiを核とするオンコロジー領域での世界的なプレゼンス。Padcev・フェゾリネタント等のポスト主力候補を複数保有し、特許切れ後の谷を埋めるパイプライン戦略。海外売上比率が高くドル建て収益の為替メリットを享受。コア営業利益率は20.5%(+3.3pt)と収益性も改善。
主なリスク
Xtandiの特許切れ(2027年以降)による収益の崖、M&A由来無形資産の追加減損リスク、米国薬価制度改革(IRA)による価格圧力、新薬開発の失敗・承認遅延リスク、為替変動。
03同じ業界のほかの会社
医薬品で営業利益率が高い3社
- 中外製薬営業利益率 44.7%
- 大塚ホールディングス営業利益率 13.9%
- 第一三共営業利益率 11.6%