アステラス製薬4503有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
前立腺がん治療薬「イクスタンジ(Xtandi)」を主力とするグローバル製薬大手で、オンコロジー(がん)領域に強みを持つ。尿路上皮がん治療薬「パドセブ(Padcev)」、更年期障害治療薬「フェゾリネタント」、胃がん治療薬「ビロイ(Vyloy)」を成長ドライバーと位置づける。海外売上比率が高く、ドル建て収益の比重が大きい点が特徴。主力薬の特許切れを見据え、複数の成長製品とパイプラインで収益の谷を埋める戦略をとる。
02業績の推移
直近4四半期の売上は1.92兆円で、前年の同じ4四半期から+26.3%。営業利益率は20.4%、ROEは3.1%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 23Q1 | 3,600億円 | 850億円 | 23.6% | 400億円 | ¥2,020 |
| 23Q2 | 3,800億円 | 820億円 | 21.6% | 350億円 | ¥2,080 |
| 23Q3 | 3,900億円 | 620億円 | 15.9% | 340億円 | ¥1,860 |
| 23Q4 | 3,900億円 | 480億円 | 12.3% | 610億円 | ¥1,640 |
| 24Q1 | 4,600億円 | 950億円 | 20.7% | 1,300億円 | ¥1,580 |
| 24Q2 | 4,800億円 | 980億円 | 20.4% | 1,300億円 | ¥1,520 |
| 24Q3 | 4,900億円 | 1,000億円 | 20.4% | 1,300億円 | ¥1,690 |
| 24Q4 | 4,900億円 | 990億円 | 20.2% | 1,170億円 | ¥1,680 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY23 | 1.52兆円 | 2,770億円 | 18.2% | 1,700億円 | — |
| FY24 | 1.92兆円 | 3,920億円 | 20.4% | 5,070億円 | +26.3% |
03会社計画 — 26/3期 会社予想
会社計画は未収録です。営業利益率20.5%は医薬品6社中2位で、業界平均17.1%との差は3.4ポイントです。
会社の見立て:コア営業利益は前期比約4.6%増の4,100億円を見込む。純利益は前期に計上した無形資産減損損失の反動を含む低い前年基準(調整後)に対し約2.6倍の約1,300億円(会社初期予想)を計画。重点製品(Xtandi・Padcev・フェゾリネタント・Vyloy)の成長を引き続き織り込む。2025年4月25日発表(初期会社予想)
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上1.92兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は5,070億円。
05株主への還元と持ち主
| 外国人株主計 | 35.2% |
| 個人・その他 | 22.6% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 16.8% |
| 日本カストディ銀行 | 7.4% |
| 自己株式 | 4.0% |
06経営の体制
多様な人材の活躍とグローバルな人材マネジメントを重視し、イノベーションを生み出す研究開発人材の育成と、健康経営の推進に取り組んでいる。
07経営方針と課題 — 有報から
オンコロジーを中心とした重点領域への集中と、Xtandi以降を担う成長製品・パイプラインの育成を経営戦略の柱とする。主力薬の特許切れ(いわゆる収益の崖)に備え、新薬の上市加速と研究開発投資の重点化を進めつつ、収益性の改善を図る。
- 01主力薬Xtandiの特許切れによる収益減を、成長製品と新規パイプラインで補完すること
- 02M&Aで取得した無形資産の価値を維持し、追加的な減損リスクに対応すること
- 03米国の薬価制度改革による価格圧力のなかで、収益性を確保すること
主力薬の特許切れによる収益の急減(崖)が、業績に大きな影響を及ぼしうる。
新薬開発の失敗や承認の遅延が、成長戦略の前提を揺るがす可能性がある。
米国薬価制度改革(IRA)など各国の規制が価格・収益を圧迫しうる。
海外売上比率が高く、為替変動が円換算の収益に影響する。
08投資の中身
オンコロジーを中心に、新規作用機序の抗がん剤や遺伝子・細胞治療など先端モダリティの研究開発に重点投資し、Xtandi後を担うパイプラインの育成を進めている。
09同業のなかでの位置
- 中外製薬営業利益率 44.7%
- 大塚ホールディングス営業利益率 13.9%
- 第一三共営業利益率 11.6%
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、営業利益と株価の連動は弱めです。市場全体の地合いやテーマ性の影響が大きい可能性があります。