中外製薬4519有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
中外製薬は、スイス・ロシュを親会社とするグローバルな研究開発型製薬企業です。血友病治療薬「ヘムライブラ」や抗がん剤「アレセンサ」を主力とし、独自の抗体エンジニアリング技術を強みとしています。ロシュとの戦略的アライアンスにより、自社が創製した医薬品をロシュ経由でグローバルに展開し、海外売上・ロイヤルティ収益を得る構造が特徴です。国内製品と輸出・ロイヤルティ収入を組み合わせた収益源で、製薬業界屈指の高い収益性を実現しています。
02業績の推移
直近4四半期の売上は1.19兆円で、前年の同じ4四半期から+19.9%。営業利益率は44.6%、ROEは25.5%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 23Q1 | 2,450億円 | 1,020億円 | 41.6% | 730億円 | ¥4,100 |
| 23Q2 | 2,500億円 | 1,040億円 | 41.6% | 740億円 | ¥4,250 |
| 23Q3 | 2,450億円 | 1,000億円 | 40.8% | 710億円 | ¥4,400 |
| 23Q4 | 2,510億円 | 1,090億円 | 43.4% | 830億円 | ¥4,690 |
| 24Q1 | 2,900億円 | 1,300億円 | 44.8% | 920億円 | ¥5,900 |
| 24Q2 | 3,000億円 | 1,350億円 | 45.0% | 950億円 | ¥6,500 |
| 24Q3 | 2,950億円 | 1,280億円 | 43.4% | 900億円 | ¥7,000 |
| 24Q4 | 3,030億円 | 1,370億円 | 45.2% | 980億円 | ¥7,050 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY23 | 9,910億円 | 4,150億円 | 41.9% | 3,010億円 | — |
| FY24 | 1.19兆円 | 5,300億円 | 44.6% | 3,750億円 | +19.9% |
03会社計画 — 25/12期 会社予想
会社計画は未収録です。営業利益率44.7%は医薬品6社中1位で、業界平均17.1%との差は27.7ポイントです。
会社の見立て:血友病薬ヘムライブラと自社創製品の海外輸出(ロシュ向け)の伸長を主因に、売上収益は前期比約6.9%増の1兆2,700億円、営業利益は約5.6%増の5,600億円を見込む。肥満症経口薬オルフォルグリプロン(イーライリリー導出)のロイヤルティ拡大も中期成長ドライバー。2025年1月30日発表(会社予想)
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上1.19兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は3,750億円。
05株主への還元と持ち主
| ロシュ・ホールディングス | 59.9% |
| 個人・その他 | 18.4% |
| 外国人株主計(ロシュ除く) | 10.5% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 6.2% |
| 日本カストディ銀行 | 3.0% |
06経営の体制
革新的な創薬を支える研究人材の確保・育成を重視し、多様な人材が活躍できる環境整備とエンゲージメント向上を通じて人的資本の強化に取り組んでいます。
07経営方針と課題 — 有報から
独自の抗体・創薬技術を核に、革新的な新薬を継続的に生み出すことを経営の柱としています。ロシュとの提携を活かしたグローバル展開と、有望なパイプラインの育成を成長ドライバーとしています。実質無借金の堅固な財務を背景に、研究開発への積極的な投資を継続する方針です。
- 01ロシュとの提携に依存する収益・パイプライン構造の下で、自社創薬力を一層強化すること。
- 02主力品の特許切れやバイオシミラー参入に備え、次世代パイプラインを育成すること。
- 03各国の薬価引き下げ圧力に対応しつつ、高い収益性を維持すること。
売上やパイプラインの相当部分がロシュ関連であり、提携関係の変化が業績に影響する可能性があります。
主力品の特許切れやバイオシミラー・競合薬の参入が収益を圧迫する可能性があります。
新薬開発の失敗や承認の遅延が将来の収益に影響します。
各国の薬価引き下げや円高進行が収益性に影響を及ぼします。
08投資の中身
独自の抗体エンジニアリング技術を基盤に、抗がん剤や希少疾患領域を中心とした新薬・パイプラインの研究開発に積極的に投資しています。
09同業のなかでの位置
- アステラス製薬営業利益率 20.5%
- 大塚ホールディングス営業利益率 13.9%
- 第一三共営業利益率 11.6%
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、本業の利益と株価が同じ方向に動く傾向がうかがえます。