武田薬品工業4502有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
武田薬品工業は、売上の約8割を海外(特に米国)が占める日本最大のグローバル製薬企業です。消化器、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンス、ワクチンの各領域に注力しています。2019年のシャイアー買収により希少疾患・血漿事業を大幅に強化した一方、買収に伴う有利子負債と無形資産の償却が利益面の負担となっています。地域分散の効いた売上構成と、血漿分画製剤事業の高い参入障壁を収益基盤としています。
02業績の推移
直近4四半期の売上は4.58兆円で、前年の同じ4四半期から+1.8%。営業利益率は4.7%、ROEは2.0%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24Q1 | 1.07兆円 | 720億円 | 6.7% | 300億円 | ¥4,150 |
| 24Q2 | 1.15兆円 | 820億円 | 7.1% | 450億円 | ¥3,980 |
| 24Q3 | 1.18兆円 | 780億円 | 6.6% | 420億円 | ¥4,020 |
| 24Q4 | 1.10兆円 | 450億円 | 4.1% | 40億円 | ¥4,100 |
| 25Q1 | 1.12兆円 | 580億円 | 5.2% | 280億円 | ¥4,250 |
| 25Q2 | 1.16兆円 | 620億円 | 5.3% | 310億円 | ¥4,180 |
| 25Q3 | 1.17兆円 | 600億円 | 5.1% | 300億円 | ¥4,320 |
| 25Q4 | 1.13兆円 | 340億円 | 3.0% | 190億円 | ¥4,300 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY24 | 4.50兆円 | 2,770億円 | 6.2% | 1,210億円 | — |
| FY25 | 4.58兆円 | 2,140億円 | 4.7% | 1,080億円 | +1.8% |
03会社計画 — 26/3期 会社予想
会社計画は未収録です。営業利益率4.7%は医薬品6社中6位で、業界平均17.1%との差は-12.4ポイントです。
会社の見立て:前期にのしかかった無形資産償却・減損の一巡と、成長製品14ブランドの伸長で営業利益・純利益が反発する見込み。為替前提は1ドル145円。2025年5月8日発表
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上4.58兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は1,080億円。
05株主への還元と持ち主
| 個人・その他 | 35.2% |
| 外国人株主計 | 33.5% |
| 国内法人・金融機関 | 18.6% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 8.1% |
| カストディ銀行(信託) | 4.6% |
06経営の体制
グローバルに事業を担う多様な人材の確保・育成を重視し、ダイバーシティの推進とエンゲージメント向上を通じて人的資本の強化に取り組んでいます。
07経営方針と課題 — 有報から
重点疾患領域への集中と成長製品の育成を通じて、パテントクリフ(特許切れの谷)を乗り越えることを経営の柱としています。血漿分画製剤や希少疾患での独占的ポジションを活かしつつ、有利子負債の削減と累進的な配当方針の維持を両立する方針です。研究開発とパイプラインの充実を成長の前提としています。
- 01シャイアー買収由来の有利子負債の削減と財務体質の改善。
- 02主力薬の特許切れに備えた成長製品・パイプラインの育成。
- 03無形資産の償却・減損負担を抑えつつ収益力を回復すること。
買収由来の巨額の有利子負債と無形資産の償却・減損が利益を圧迫します。
主力薬の特許切れや後発品・バイオシミラーの参入が収益を減少させる可能性があります。
米国をはじめとする薬価制度改革による価格圧力が収益に影響します。
為替変動や新薬開発の失敗・承認遅延が業績に影響を及ぼします。
08投資の中身
消化器・希少疾患・オンコロジー・ニューロサイエンスなどの重点領域で、新薬・パイプラインの研究開発に積極的に投資しています。
09同業のなかでの位置
- 中外製薬営業利益率 44.7%
- アステラス製薬営業利益率 20.5%
- 大塚ホールディングス営業利益率 13.9%
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、営業利益と株価が逆に動く傾向がうかがえます。金利・市況など業績以外の要因が効いている可能性があります。