ZAIBIZ|企業分析

SUBARU7270有報もと概算

東証プライム・自動車|2025年3月期 通期
売上収益
4.69兆円
営業利益
4,053億円
従業員
3.8万人
概要詳細
このページの要点
  • 売上台数93.6万台のうち66.2万台(7割)が米国
  • 台数はトヨタの10分の1。それでも1台あたり営業利益は約43万円で肩を並べる
  • もう一つの顔は航空宇宙(売上1,116億円)

01SUBARUは、何で儲けている会社?

A. 米国で売るための会社。売上台数の7割が米国

SUBARUの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか

¥お金モノ・サービス情報・契約
顧客売上台数93.6万台のうち米国66.2万台スバル オブ アメリカ米国の販売会社(100%子会社)インディアナ工場スバル オブ インディアナ米国売上台数の50%超を現地生産SUBARU企画・R&D研究開発費 1,600億円/年自動車の製造売上台数 93.6万台/年航空宇宙売上 1,116億円防衛省・ボーイング航空機・部品の納入先航空宇宙 売上1,116億円部品サプライヤー国内外の部品・素材¥¥¥¥車両代金クルマ・整備現地でつくった完成車日本から輸出卸売代金航空機・部品納入代金部品・素材部品代米国事業売る10台のうち7台が米国。生産も米国に半分以上台数はトヨタの10分の1でも、1台あたり利益は肩を並べる※金額・台数は第94期有報(25/3期)

細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください

1

10台のうち7台が米国

25/3期の売上台数93.6万台のうち、米国が66.2万台。有報は2025年3月に米国で「販売する自動車ブランドの中で唯一、32か月連続で前年同月超え」を記録したと書いている。

2

売る場所でつくる

米国売上台数の50%超を現地生産(スバル オブ インディアナ)。日本からの輸出と現地生産の二本立てで、為替と関税の振れを和らげる形になっている。

3

航空宇宙という、もう一つの顔

売上1,116億円の航空宇宙事業を持ち、防衛省向けの航空機やボーイング向けの部品を手がける。自動車の景気と連動しにくい柱として残っている。

02売上4.69兆円は、何でできている?

A. 98%が自動車。残りが航空宇宙。

売上収益4.69兆円25/3期・連結・IFRS
自動車4.57兆円売上の98%。米国中心に93.6万台
航空宇宙1,116億円売上の2%。防衛省・ボーイング向け

営業利益4,053億円を売上台数93.6万台で割ると1台あたり約43万円。トヨタの自動車事業(約42万円)とほぼ同じで、台数が10分の1でも、1台あたりでは肩を並べている。

台数を追わず、米国で選ばれるブランドを維持する——という戦い方が、この1台あたりの数字に表れている。

03なぜSUBARUは強い?

A. 米国の一部の顧客に、深く刺さっているから。

1

12年連続で販売を伸ばした実績

有報によれば2008年からコロナ禍前の2019年まで12年連続で小売販売が前年を超え、販売台数は約3.7倍になった。安全性能や四輪駆動といった特徴が、米国の特定の層に支持された結果とされる。

SUBARU最上位・東証プライム 7270100%スバル USA ホールディングス(米国統括)100%スバル オブ インディアナ(米国工場)100%輸送機工業(航空機用部品の製造)有報「関係会社の状況」(2025年3月31日時点)より主要3社。スバル オブ インディアナは間接保有。
2

強さの源が、そのまま弱さになる

米国依存は好調時には効率がよいが、関税・為替・現地の景気がそのまま業績に直結する。トヨタのように地域を分散していない分、1つの市場の変化に対する耐性は低い。

04いま、何と戦っている?

有報の記載および同期の実績より

A. 米国という一本足。

外部環境

米国の関税がそのまま効く構造

売上台数の7割が米国で、そのうち現地生産は5割強。残りは日本からの輸出にあたるため、関税や為替の変動が利益に直結しやすい。

収益性

25/3期は減収減益

売上収益は4.70兆円から4.69兆円へ微減、営業利益は4,682億円から4,053億円へ▲13.4%。台数を伸ばしてきた流れが一度止まった年だった。

05他の自動車会社と、何が違う?

A. 規模を追わず、1台あたりで勝つこと。

SUBARUトヨタホンダスズキ
台数93.6万台936万台372万台(四輪)329万台(生産)
1台あたり営業利益約43万円約42万円(自動車事業)約6.6万円(四輪事業)約19万円
営業利益率8.6%10.0%5.6%11.0%
主戦場米国(台数の7割)グローバル全域北米・アジアインド
第二の柱航空宇宙販売金融二輪・金融二輪・マリン

各社の25/3期 有価証券報告書より。台数の開示区分(販売/生産/グループ)は各社で異なるため、単純比較はできない。

06台数はトヨタの10分の1。なのに1台あたりの稼ぎは同じ?

A. ほぼ同じ。93.6万台で4,053億円=1台あたり約43万円。

トヨタは936万台で自動車事業の営業利益3.94兆円、1台あたり約42万円。SUBARUは93.6万台で4,053億円、1台あたり約43万円。台数が10倍違っても、クルマ1台から得る利益はほぼ同じという結果になる。

規模の大きさは調達や開発の効率で効くが、1台あたりの利益は「どんな車を、どこで、いくらで売るか」で決まる。SUBARUが米国のブランド価値を守ることに集中しているのは、この数字の作り方の違いによる。

5年の推移
指標21/3期22/3期23/3期24/3期25/3期
売上収益2.83兆円2.74兆円3.77兆円4.70兆円4.69兆円
親会社帰属利益765億円700億円2,004億円3,851億円3,381億円
ROE4.4%3.8%10.0%16.5%12.8%
総資産3.41兆円3.54兆円3.94兆円4.81兆円5.09兆円
従業員3.6万人3.7万人3.8万人3.8万人3.8万人

21/3期・22/3期はコロナ禍と半導体不足で利益が落ち込み、その後の3年で急回復した。25/3期は回復が一段落した年にあたる。

--まとめ

SUBARUは、米国で選ばれることに集中してきた会社。売上台数の7割が米国で、生産も半分以上を現地で行う。台数はトヨタの10分の1でも、1台あたりの利益はほぼ同じ。集中が強さであり、同時に関税や為替の直撃を受ける弱さでもある。

ほかの会社を読むときも、同じ3つの問いが使える
  • 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
  • 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
  • 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)

出典: SUBARU 第94期 有価証券報告書(EDINET S100W1AE・2025年6月23日提出)。1台あたり等は同有報記載値の割り算による概算。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。

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このページの数字はどこから来ているか

財務数値
SUBARUの有価証券報告書(2025年3月期 通期)をもとに編集・要約した概算値
決算発表
有価証券報告書 2025年3月期(2025年6月提出)
会社計画
2025年5月12日発表
株価
2026年6月26日時点のスナップショット(自動更新はしていません)

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