ZAIBIZ|企業分析

スズキ7269有報もと概算

東証プライム・自動車|2025年3月期 通期
売上収益
5.83兆円
営業利益
6,429億円
従業員
7.4万人
概要詳細
このページの要点
  • 25/3期、大手が軒並み減益のなか1社だけ営業利益+30.2%の増益
  • 売上の91%は四輪。インドの上場子会社マルチ・スズキを58.3%握る
  • 利益率が最も高いのは意外にも船外機(マリン27.9%)

01スズキは、何で儲けている会社?

A. 小さいクルマを、インドで大量に売る会社。四輪が売上の91%

スズキの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか

¥お金モノ・サービス情報・契約
顧客インド・日本・アジアの購入者販売会社・ディーラー国内外の販売網スズキ企画・R&D研究開発費 2,656億円/年四輪の生産年 329.6万台二輪・マリン153万台・11万台マルチ・スズキインドでの製造・販売連結子会社(議決権58.3%・上場)部品サプライヤー現地調達が中心¥¥¥¥車両代金クルマ・バイク製品を卸す卸売代金技術・部品製品売上部品・素材部品代インド事業小さい車に特化し、インドで国民車の地位を得た25/3期は大手で唯一の大幅増益(営業利益+30.2%)※金額・台数は第159期有報(25/3期)

細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください

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インドの上場子会社が中核にある

インドのマルチ・スズキは議決権58.3%を持つ連結子会社。さらに100%出資のスズキ・モーター・グジャラートが現地生産を担う。日本の会社でありながら、事業の重心はインドにある。

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「小・少・軽・短・美」——小さくつくる思想

有報がものづくりの理念として挙げる言葉。軽自動車で磨いた小さく安くつくる技術が、そのまま新興国の価格帯に効く。国内では四輪車の累計販売3,000万台(うち軽が約2,707万台)を達成した。

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四輪・二輪・マリンの3本立て

四輪5.31兆円、二輪3,981億円、マリン(船外機)1,097億円。規模は四輪が圧倒的だが、利益率はマリンが27.9%で社内最高。

02売上5.83兆円は、何でできている?

A. ほぼ四輪。ただし利益率は船外機が一番高い。

売上収益5.83兆円25/3期・連結・IFRS
四輪5.31兆円売上の91%。営業利益5,676億円・利益率10.7%
二輪3,981億円売上の7%。営業利益408億円・利益率10.3%
マリン1,097億円船外機。営業利益306億円・**利益率27.9%で社内最高**
その他121億円電動車いすなど。営業利益38億円

四輪の生産は年329.6万台。営業利益6,429億円を四輪の台数で割ると1台あたり約19万円で、トヨタの自動車事業(約42万円)の半分以下。安い車を大量に売って利益を積むモデルであることが数字に出ている。

一方でマリンは売上が四輪の48分の1しかないのに、利益率は四輪の2.6倍。規模の小さい事業に一番おいしい商売が隠れている——決算を分解しないと見えない類の発見。

03なぜスズキだけ増益できた?

A. 主戦場のインドが伸びているから。

1

大手が減益の年に、1社だけ+30.2%

25/3期の営業利益は4,938億円から6,429億円へ1,490億円の増益。同じ期にトヨタ▲10.4%、ホンダ▲12.2%、SUBARU▲13.4%と減益が並ぶなかでの独走だった。

スズキ最上位・東証プライム 726958.3%マルチ・スズキ・インディア(インド・上場)100%スズキ・モーター・グジャラート(インドの生産子会社)100%スズキ・モーター・ポーランド(欧州の販売)有報「関係会社の状況」(2025年3月31日時点)より主要3社。ほかにアジア・欧州・北米に多数。
2

上場子会社を抱えるという選択

マルチ・スズキはインド市場に上場したままの子会社。100%にせず現地で資金と人材を集められる形を保っている。トヨタが部品会社を連結の外に置くのと同じで、支配と自立のバランスをどう取るかの判断がここに出る。

04いま、何と戦っている?

有報の記載および同期の実績より

A. インド一本足の裏返しと、電動化。

集中の裏返し

稼ぎがインドの景気に強く連動する

四輪が売上の91%を占め、その中核はインド。成長を取り込める一方、現地の景気や政策が変われば全社に響く構造でもある。

電動化

小型車で電動化にどう答えるか

研究開発費は2,656億円。安く小さくつくる強みを、価格が上がりやすい電動車でどう維持するかが問われる。

05他の自動車会社と、何が違う?

A. 主戦場がインドで、規模より回転で稼ぐこと。

スズキトヨタホンダSUBARU
営業利益6,429億円4.80兆円1.21兆円4,053億円
営業利益率11.0%10.0%5.6%8.6%
25/3期の増減+30.2%▲10.4%▲12.2%▲13.4%
主戦場インドグローバル全域北米・アジア米国(台数の7割)
第二の柱二輪・マリン(利益率27.9%)販売金融二輪・金融航空宇宙

各社の25/3期 有価証券報告書より。

06なぜ増益できた?

A. 売上が4,676億円増え、費用の増加を1,490億円上回ったから。

0.49兆+0.47兆▲0.32兆0.64兆24/3期営業利益売上の増加売上収益 +8.7%費用の増加原価・販管費ほか25/3期営業利益増減の内訳費用の増加3,186億円合計3,186億円

営業利益は4,938億円から6,429億円へ+1,490億円。売上の増加4,676億円に対して費用の増加は3,186億円にとどまり、差額がそのまま増益になった。トヨタやホンダが「増収でも費用増に追い越された」のとちょうど逆の形。

ROEも11.7%から14.6%へ上昇。利益率でトヨタを上回った年でもある(スズキ11.0% / トヨタ10.0%)。

5年の推移
指標21/3期22/3期23/3期24/3期25/3期
売上高3.18兆円3.57兆円4.64兆円5.37兆円5.84兆円
親会社帰属利益1,464億円1,603億円2,211億円2,677億円3,902億円
ROE9.2%9.0%11.2%11.7%15.0%
総資産4.04兆円4.16兆円4.58兆円5.39兆円5.59兆円
従業員6.9万人6.9万人7.0万人7.2万人7.4万人

5年で売上1.8倍・利益2.7倍。21/3期〜23/3期は日本基準、24/3期以降はIFRSの数値が併記されるため、ここでは5年通しで比較できる日本基準の系列を載せた。

--まとめ

スズキは、小さいクルマを安くつくる技術でインドの国民車メーカーになった会社。25/3期は大手で唯一の大幅増益で、利益率ではトヨタを上回った。売上の91%が四輪、その中核がインドという集中は、強さと危うさの両方になる。

ほかの会社を読むときも、同じ3つの問いが使える
  • 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
  • 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
  • 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)

出典: スズキ 第159期 有価証券報告書(EDINET S100W4MT・2025年6月27日提出)。1台あたり等は同有報記載値の割り算による概算。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。

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財務数値
スズキの有価証券報告書(2025年3月期 通期)をもとに編集・要約した概算値
決算発表
有価証券報告書 2025年3月期(2025年6月提出)
会社計画
2025年5月12日発表
株価
2026年6月26日時点のスナップショット(自動更新はしていません)

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