ZAIBIZ|企業分析

ホンダ7267有報もと概算

東証プライム・自動車|2025年3月期 通期
売上収益
21.7兆円
営業利益
1.21兆円
従業員
19.4万人
概要詳細
このページの要点
  • 売上の66%は四輪なのに、営業利益の8割は二輪と金融が稼ぐ
  • 二輪は年2,057万台。四輪の5.5倍を売り、利益率は18%
  • 25/3期は減益。研究開発費が1兆994億円へ19%増えた

01ホンダは、何で儲けている会社?

A. 世界一のバイク会社。四輪は台数ほど儲かっていない。二輪の営業利益は全社の55%

ホンダの商売の仕組み — 誰から誰へ、お金が動くか

¥お金モノ・サービス情報・契約
顧客25/3期 二輪2,057万台・四輪372万台販売店・ディーラー国内外の販売網¥ローン・リースホンダファイナンス等金融収益3.51兆円・営業利益3,156億円本田技研工業企画・R&D研究開発費 1.10兆円/年二輪の製造年 2,057万台四輪の製造年 372万台部品サプライヤー国内外の部品・素材¥¥¥¥¥車両代金バイク・クルマローン契約月々の返済車両代金を立替製品を卸す卸売代金部品・素材部品代二輪=売上の17%で、営業利益の55%四輪=売上の66%で、営業利益の20%※金額・台数は第101期有報(25/3期)

細かいところは、画面をピンチで拡大して見てください

1

二輪は年2,057万台。アジアの生活の足

四輪372万台に対し、二輪はその5.5倍を売る。二輪事業の営業利益6,634億円は全社1兆2,134億円の55%にあたり、利益率も18.3%と社内で最も高い。

2

四輪は売上の66%を占めるのに、利益率1.7%

四輪事業の売上は14.5兆円で全社の3分の2。しかし営業利益は2,439億円にとどまる。売上の順位と利益の順位が逆転しているのがホンダの特徴。

3

金融サービスが第三の柱

ローン・リースの金融サービス事業は売上3.5兆円・営業利益3,156億円。トヨタと同じく売った後にも稼ぐ構造を持つ。

02売上21.7兆円は、何でできている?

A. 四輪が3分の2。ただし利益では二輪に負ける。

売上収益21.7兆円25/3期・連結・IFRS
四輪14.5兆円売上の66%。営業利益は2,439億円で利益率1.7%
二輪3.63兆円売上の17%。営業利益6,634億円・利益率18.3%で全社の稼ぎ頭
金融サービス3.51兆円売上の16%。営業利益3,156億円・利益率9.0%
パワープロダクツ他0.41兆円汎用エンジンなど。営業損失94億円

1台あたりに割ると、四輪は営業利益約6.6万円/台(2,439億円÷372万台)、二輪は約3.2万円/台(6,634億円÷2,057万台)。1台の利幅は四輪が上でも、台数が5.5倍ある二輪が総額で勝つ。

同じ計算をトヨタの自動車事業に当てると1台あたり約42万円。四輪の1台あたり利益で見ると、ホンダはトヨタの6分の1にとどまる。

03なぜホンダは強い?

A. 四輪が不振でも、二輪と金融が支えるから。

1

二輪の世界的な台数が、四輪の波を吸収する

二輪はアジアを中心に年2,057万台。前期比で+9.3%と伸び、営業利益も1,072億円の増益(+19.3%)。四輪が苦しい年でも全社の利益が一気に崩れない設計になっている。

2

研究開発費1兆994億円を「知能化」に投じる

研究開発費は前期比19.0%増。有報では二輪・金融と四輪のICE/ハイブリッドの収益基盤を活かして、知能化領域へ資源を投じると説明している。稼ぎ頭で稼ぎ、次の技術に賭ける構図。

04いま、何と戦っている?

有報「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「事業等のリスク」より

A. 四輪の収益性と、米国の政策転換。

四輪の収益性

四輪の製品保証費が利益を削った

販売費及び一般管理費は2兆3,510億円へ11.6%増。有報は増加要因として諸経費とともに四輪の製品保証見積の変更影響を挙げている。

外部環境

米国の追加関税と政策転換を注視

有報は「米国にて新政権発足以降、追加関税をはじめとする様々な政策転換がなされて」いると明記し、販売台数の増減や追加費用が将来の収益性に影響しうるとしている。

投資

知能化・電動化へ資源を集中する

二輪・金融と四輪のICE/ハイブリッドの安定基盤を活用し、知能化領域へ資源を投じる方針。研究開発費は1兆994億円まで増えた。

05他の自動車会社と、何が違う?

A. 四輪が主役ではないこと。

ホンダトヨタスズキSUBARU
営業利益1.21兆円4.80兆円6,429億円4,053億円
営業利益率5.6%10.0%11.0%8.6%
利益の柱二輪55%・金融26%・四輪20%自動車+販売金融四輪89%自動車ほぼ100%
四輪の台数372万台936万台329万台(生産)93.6万台
25/3期の増減▲12.2%▲10.4%+30.2%▲13.4%

各社の25/3期 有価証券報告書より。四輪の台数は各社の開示区分(販売/生産)が異なるため、単純比較はできない。

06増収なのに、なぜ減益?

A. 売上が1.26兆円増えたが、費用が1.43兆円増えたから。

1.38兆+1.26兆▲1.43兆1.21兆24/3期営業利益売上の増加売上収益 +6.2%費用の増加原価・販管費・R&D25/3期営業利益費用増 1.43兆円の内訳売上原価1.01兆円販管費2,445億円研究開発費1,758億円合計1.43兆円

営業利益は1兆2,134億円で前期比▲1,684億円(▲12.2%)。売上は1.26兆円増えたのに、費用が1.43兆円増えて追い越した。最大の要因は売上原価の1兆81億円増(+6.3%)。

次に効いたのが研究開発費の1,758億円増(+19.0%)。これは将来への投資なので、削れば利益は戻るが競争力を失う。「利益を削ってでも知能化に賭ける」という選択がこの数字に出ている。

5年の推移
指標21/3期22/3期23/3期24/3期25/3期
売上収益13.2兆円14.6兆円16.9兆円20.4兆円21.7兆円
営業利益---1.38兆円1.21兆円
親会社帰属利益6,574億円7,071億円6,514億円1.11兆円8,358億円
ROE7.7%7.2%6.0%9.3%6.7%
総資産21.9兆円24.0兆円24.7兆円29.8兆円30.8兆円

売上は5年で1.65倍に伸びたが、利益率は上がっていない。営業利益は有報の5年表に載らないため、直近2期のみ記載した。

--まとめ

ホンダは、四輪で売上をつくり、二輪と金融で利益をつくる会社。25/3期は増収でも減益で、原因は原価と研究開発費の増加。四輪の1台あたり利益はトヨタの6分の1で、ここを立て直せるかが次の焦点になる。

ほかの会社を読むときも、同じ3つの問いが使える
  • 第二の柱はあるか(本業の隣で稼ぐ仕組み)
  • 1個あたりに割るといくらか(規模の錯覚を外す)
  • 連結の外に誰がいるか(勢力圏は関係会社の欄に出る)

出典: 本田技研工業 第101期 有価証券報告書(EDINET S100VYOD・2025年6月18日提出)。1台あたり等は同有報記載値の割り算による概算。株価・PER等のマーケット情報は詳細ページにある。

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財務数値
ホンダの有価証券報告書(2025年3月期 通期)をもとに編集・要約した概算値
決算発表
有価証券報告書 2025年3月期(2025年6月提出)
会社計画
2025年5月13日発表
株価
2026年6月26日時点のスナップショット(自動更新はしていません)

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