「金融」と一括りにされるが、この2社は本質的に異なる。オリックスはリース発祥の事業会社で、不動産・PE・環境エネルギー・保険・空港コンセッション(関西/伊丹/神戸)まで束ねた多角化コングロマリットであり、2025年度も純利益は過去最高圏で安定推移、ROEと株主還元(累進配当・自己株取得)を軸にPBR1倍前後の評価脱却を進めてきた。一方の日本郵政はゆうちょ銀行・かんぽ生命を抱える巨大金融持株で、政府保有比率の段階的引下げと、保有するゆうちょ銀株の売出し(資本の最適化)が株価・資本政策の最大論点。日銀の利上げ局面で「金利のある世界」が復活したことが、巨額の預金と運用資産を抱える郵政グループに最も直接的な追い風となっている。
日銀がマイナス金利解除後に段階的利上げへ進み長期金利が上昇する「金利のある世界」は、ゆうちょの預貸・運用利鞘とかんぽの予定利率環境を改善させ、長く低金利と運用難に苦しんだ郵政グループの収益正常化シナリオを後押しする。オリックスは利上げで調達コストが上がる一方、不動産・空港(インバウンド回復)・PE・再エネが分散効きやすく、成長分野の入替えと自己資本効率の改善、累進的な株主還元の継続が株価の支え。リスクは郵政側のかんぽ不適切販売の後遺症と政府売出しの需給・成長戦略の乏しさ、オリックス側は不動産市況と海外PE評価で、両社とも東証のPBR・資本コスト改革要請とアクティビスト圧力が資本政策を一段と加速させる方向にある。