ENEOSホールディングス5020有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
ENEOSホールディングスは国内石油元売り最大手で、事業はエネルギー事業、金属事業、石油・天然ガス開発事業の3本柱で構成されます。エネルギー事業は「ENEOS」ブランドのサービスステーション網を通じたガソリン・軽油・潤滑油・石油化学製品の精製・販売を担い、国内ガソリン販売で高いシェアを持ちます。金属事業のJX金属は半導体向け機能材料などで世界的な存在感を持ち、石油・天然ガス開発は原油・ガスの探鉱から生産までを手がけます。原油価格変動に伴う在庫評価の影響で会計上の利益が大きく変動するのが特徴です。
02業績の推移
直近4四半期の売上は14.0兆円で、前年の同じ4四半期から-6.9%。営業利益率は2.4%、ROEは10.0%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24Q1 | 3.75兆円 | 500億円 | 1.3% | -200億円 | ¥700 |
| 24Q2 | 3.80兆円 | 400億円 | 1.1% | 100億円 | ¥720 |
| 24Q3 | 3.78兆円 | 600億円 | 1.6% | 300億円 | ¥740 |
| 24Q4 | 3.67兆円 | 1,500億円 | 4.1% | 500億円 | ¥760 |
| 25Q1 | 3.50兆円 | 1,000億円 | 2.9% | 900億円 | ¥790 |
| 25Q2 | 3.55兆円 | 900億円 | 2.5% | 800億円 | ¥810 |
| 25Q3 | 3.45兆円 | 700億円 | 2.0% | 600億円 | ¥830 |
| 25Q4 | 3.47兆円 | 800億円 | 2.3% | 700億円 | ¥850 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY24 | 15.0兆円 | 3,000億円 | 2.0% | 700億円 | — |
| FY25 | 14.0兆円 | 3,400億円 | 2.4% | 3,000億円 | -6.9% |
03会社計画 — 26/3期 会社予想
会社計画は未収録です。ENEOSホールディングスの営業利益率は2.4%、ROEは10.0%、売上は前年比-6.9%です。
会社の見立て:2026年3月期予想は、在庫影響を除いた実力ベースの利益(在庫影響除き営業利益)を重視。原油価格の前提を1バレル70ドル台、為替を1ドル150円前後に置き、エネルギー事業の精製マージン安定と金属事業の機能性材料の回復を見込む。前期実績にはマイナスの在庫評価影響が含まれており、原油価格が横ばいで推移すれば在庫影響が縮小し、実力ベース利益は改善する想定。石油製品需要の構造的減少と脱炭素投資(水素・再エネ・SAF)の先行費用が中期の重荷。2025年5月13日発表
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上14.0兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は3,000億円。
05株主への還元と持ち主
| 外国人株主計 | 31.0% |
| 個人・その他 | 24.0% |
| 国内法人・金融機関 | 18.5% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 14.5% |
| 日本カストディ銀行 | 6.2% |
| 自己株式 | 5.8% |
06経営の体制
精製・物流から資源開発、先端材料まで多様な事業を担う人材の育成を進めています。脱炭素への事業転換を支える人材基盤の強化をサステナビリティの重点に据えています。
07経営方針と課題 — 有報から
川上の資源開発から川下の精製・販売、そして金属材料まで一気通貫のバリューチェーンを軸に収益基盤を構築しています。脱炭素の潮流を見据え、水素・再エネ・SAFなどへの投資を進める方針です。総還元性向を重視した株主還元を継続しつつ、構造的に縮小する国内石油需要への対応を進めています。
- 01EV化や人口減で構造的に縮小する国内ガソリン需要に対応し、事業構成を転換すること。
- 02水素・再エネ・SAFなど脱炭素分野の先行投資を収益貢献につなげること。
- 03原油価格に左右される会計上の利益変動を踏まえた財務・還元方針を維持すること。
業績が原油価格と為替に強く連動し、在庫評価の影響で会計上の利益が大きく振れます。
EV化や人口減により国内ガソリン需要が縮小し、石油精製事業に下押し圧力がかかります。
水素・再エネ・SAFなどへの投資は先行負担が大きく、回収に時間を要します。
相応の有利子負債を抱え、金利上昇局面では利払い負担の増加が懸念されます。
08投資の中身
水素・SAF・再生可能エネルギーなど脱炭素分野の技術開発と、JX金属を通じた半導体・電子材料の高度化に取り組んでいます。バリューチェーン全体での付加価値向上を目指しています。
09同業のなかでの位置
- INPEX営業利益率 55.9%
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、営業利益と株価の連動は弱めです。市場全体の地合いやテーマ性の影響が大きい可能性があります。