INPEX1605有報もと概算
01事業の内容 — 有報から
INPEXは日本最大の石油・天然ガス開発(E&P)企業で、探鉱・開発・生産から販売までを手がけます。事業は天然ガス・LNG、原油・コンデンセート、その他で構成され、豪州のイクシスLNGプロジェクトを中核に世界20か国超で操業しています。売上の大半は原油・天然ガス・LNGの販売で、収益は国際的な原油・LNG価格と円ドル為替に強く連動します。経済産業省が黄金株を保有する、エネルギー安全保障上の中核企業です。
02業績の推移
直近4四半期の売上は2.27兆円で、前年の同じ4四半期から+4.8%。営業利益率は55.9%、ROEは9.5%です。
| 期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 株価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 23Q1 | 5,200億円 | 2,600億円 | 50.0% | 750億円 | ¥1,480 |
| 23Q2 | 5,400億円 | 2,700億円 | 50.0% | 800億円 | ¥1,620 |
| 23Q3 | 5,500億円 | 2,900億円 | 52.7% | 840億円 | ¥2,050 |
| 23Q4 | 5,550億円 | 2,930億円 | 52.8% | 850億円 | ¥2,080 |
| 24Q1 | 5,400億円 | 2,900億円 | 53.7% | 950億円 | ¥2,380 |
| 24Q2 | 5,600億円 | 3,100億円 | 55.4% | 1,050億円 | ¥2,200 |
| 24Q3 | 5,800億円 | 3,300億円 | 56.9% | 1,120億円 | ¥1,950 |
| 24Q4 | 5,900億円 | 3,400億円 | 57.6% | 1,180億円 | ¥2,050 |
| 通期 | 売上 | 営業利益 | 利益率 | 純利益 | 売上YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| FY23 | 2.17兆円 | 1.11兆円 | 51.4% | 3,240億円 | — |
| FY24 | 2.27兆円 | 1.27兆円 | 55.9% | 4,300億円 | +4.8% |
03会社計画 — 25/12期 会社予想
会社計画は未収録です。INPEXの営業利益率は55.9%、ROEは9.5%、売上は前年比+4.7%です。
会社の見立て:2025年12月期予想は、原油価格(ブレント)を1バレル73ドル前後、為替を1ドル150円前後の前提に置く。前期に高水準だった原油・LNG価格がやや落ち着く想定で営業利益は小幅な減益を見込むが、イクシス(豪州)の安定操業と上流の生産量維持で高水準の利益を確保。アバディ(インドネシア)LNG・水素/アンモニア・再エネなどネットゼロ5分野への投資が先行費用となる一方、新中期経営計画での累進配当の導入と自己株取得を含む株主還元方針を継続。業績は原油・ガス価格と為替に強く連動するため、価格前提の変動が最大の上下振れ要因となる。2025年2月13日発表
04財務の骨格 — P/L・B/S・CF
売上2.27兆円のうち、費用と税金などを引いて最後に残る純利益は4,300億円。
05株主への還元と持ち主
| 外国人株主計 | 30.5% |
| 個人・その他 | 22.6% |
| 経済産業大臣(黄金株含む) | 18.9% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 11.2% |
| 日本カストディ銀行 | 5.8% |
| 自己株式 | 5.0% |
06経営の体制
世界各地の上流開発を担う専門人材の確保・育成に取り組んでいます。エネルギー安全保障を支える技術者基盤と、脱炭素分野を担う人材の強化をサステナビリティの柱としています。
07経営方針と課題 — 有報から
豪州イクシスをはじめとする優良な上流権益と長期契約に基づく安定した販売基盤を軸に、収益の弾力性を生かす方針です。健全な財務を背景に、累進配当や自己株取得による株主還元を強化しています。2050年ネットゼロに向け、水素・アンモニア・CCS・再エネ・カーボンリサイクルの5分野へ投資を拡大しています。
- 01原油・ガス価格と為替の変動に左右される収益構造に備えること。
- 02ネットゼロ5分野への投資を、先行費用の段階から収益貢献へつなげること。
- 03大型プロジェクトの開発遅延やコスト増を管理し、着実に立ち上げること。
業績が原油・天然ガス価格と為替に極めて強く連動し、価格下落や円高で利益が圧迫されます。
上流開発は資源国の政情や税制変更、資源ナショナリズムといった地政学リスクを伴います。
化石燃料需要の長期的な縮小懸念があり、ネットゼロ分野への投資は当面先行費用が先行します。
大型LNGプロジェクトの開発遅延やコスト増が、投資回収と収益に影響を及ぼし得ます。
08投資の中身
水素・アンモニア・CCS・カーボンリサイクルなど、ネットゼロに向けた技術分野への取り組みを進めています。上流開発の技術力を生かしつつ、脱炭素関連の技術基盤を拡充しています。
09同業のなかでの位置
- ENEOSホールディングス営業利益率 2.4%
10株価との連動
業績と株価の連動(実データ)
収録している8四半期の「営業利益」と「期末株価」から算出した参考値です。
収録期間では、本業の利益と株価が同じ方向に動く傾向がうかがえます。